味の分類には、”5つの基本味:甘味、塩味、、うま味” がありますが、
100年くらい前までは、味は4つだけだと思われていました。

日本人が、うま味を発見したのです!
うま味は、日本十大発明の一つになっています。

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今日は、うま味について詳しく解説します!

 

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1908年、東京帝国大学(現東京大学)の池田菊苗教授(敬称いけぽん)が、うま味を発見しました。

 

以下、うま味発見時の回想シーン(想像)

いけぽん「よーし、今日の晩ご飯はおでんだぞー」

たろう 「わーい!お腹すいたー」

いけぽん「たくさん食べるんだぞ」

たろう 「おでんのだし、おいしー!

いけぽん「この私が作ったのだから、に決まっている」

たろう 「このだしの味は、なんて言うの?

いけぽん「この私は教授だから、何でも知っている」

たろう 「味って、甘味と塩味と酸味と苦味から成るんだよね?

いけぽん「そのとおり、我が息子よ、なかなかやるな」

たろう 「このだし、甘くは・・・ないよね。」

いけぽん「ふむ。甘くはないな。しょっぱくもないぞ」

たろう 「すっぱくもないね。」

いけぽん「苦くもないな」

たろう 「あれ、じゃあ、なんなのさ?」

いけぽん「ふむ・・・わからん」

たろう 「あれ、何でも知っているんじゃなかったっけ?」

いけぽん「あたりまえ体操だ。私は何でも知っている」

たろう 「じゃあ何さ?」

いけぽん「このだしの味はな・・・”うまい”だ!!

たろう 「えー!!!普通の感想キター!!!」

いけぽん「ついに第5の味、”うまみ”を発見してしまったようだ

たろう 「いやいや、”うまい”、とか反則でしょ。」

いけぽん「反則じゃない!俺がうまいと言ったらうまいんだ!」

 

という感じで(想像ですよ笑)、いけぽんは、昆布だしからうま味成分であるグルタミン酸の抽出に成功するのでした!

 

昆布のうま味成分:グルタミン酸ナトリウム

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グルタミン酸は、アミノ酸の一種です。

 

 

カツオ節のうま味成分:イノシン酸ナトリウム

その5年後の1913年、小玉新太郎(敬称しんちゃん)が、

カツオ節のだしもうまくね?

と気付き、カツオ節から抽出したイノシン酸もうま味成分であることを突き止めました!

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イノシン酸は、IMPとも表記されます。

 

 

シイタケのうま味成分:グアニル酸ナトリウム

さらに40年後くらいに、ヤマサ醤油の國中明(敬称クニオ)が、ドッジボールの練習中に、

「シイタケもうまいぞ!」

と気付き、シイタケのうま味成分であるグアニル酸を見つけました!

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グアニル酸は、GMPとも表記されます。

 

 

ちなみに、生物を勉強したことがある人は、
”ATP”を聞いたことがあると思います。ATフィールドのことではありません。
エネルギー運搬物質ですね。

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このATPは、イノシン酸(IMP)やグアニル酸(GMP)にちょっと似てます。
似てるな、と、感じてもらえるだけで十分です。

 

 

グルタミン酸はコンブやに、

イノシン酸はカツオ節や煮干しや肉に、

グアニル酸はキノコ類や肉に含まれています。
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うまい!と感じるものには、うま味成分が含まれているんですね!

 

 

うま味の相乗効果

野球、サッカー、バスケ、バレーなど、チームをしていた方は
みんなで力を合わせれば、1+1が10にも20にもなるんだ!!
と、先生や監督に言われたことはありませんか??

そう言われた時は、
「ウス!!」
と返事はするものの、心の中では
いやいや、1+1=2だろ
と思ってた人もたくさんいるかと思います。

 

ところが!! 1+1が10にも20にもなることはあるのです!

それが、”うま味”です!!

 

「グルタミン酸(コンブ)+イノシン酸(カツオ節)」
もしくは
グルタミン酸(コンブ)+グアニル酸(しいたけ)」
の場合、それぞれ単独と比べ、うま味が10倍くらいになります!!
まさしく、1+1=10ですね。

これが、合わせダシをとるです。

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ただし、イノシン酸(カツオ節)+グアニル酸(しいたけ)では
1+1=2なので注意が必要です。

※詳細は、なぜスイカに塩をかけるの?~隠し味の秘訣「対比効果」「抑制効果」「相乗効果」「変調効果」~をご参照ください。

 

 

 

「1+1は?」と聞かれた時の最適な答え方は?

ところで完全に余談ですが、

就職活動していた時、最終面接前に、
”面接官に「1+1は?」と聞かれた場合、何と答えるのが正解か?”

と真剣に考えたことがあります。

 

A:「2です」と即答する

B:(ピースしながら)「2です」と可愛く答える

C:「ちょっとお待ちください」と言ってカバンから電卓を取り出し、大げさに計算した後に「出ました!2です!」と答える

D:「3!」と世界のナベアツ風におどける

E:「昔は1+1=2だと思っていましたが、僕は、これまでの経験で、自分ひとりではできないことが、誰かと力を合わせることで実現可能なことに気づきました。1+1は、10にも100にもなるんです。僕にとって、1+1は無限大です!!」と熱弁する

 

これは、Yahooアンケートで調査しても全ての選択肢が拮抗する結果となりそうですが、
皆さんなら何と答えるでしょうか?

ちなみに私は結局、で一度も「1+1は?」と聞かれませんでした。聞かれなくてほんとによかったです。

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本日のまとめ

・ うま味は日本人が発見しました!うま味は英語でumami
うま味成分の代表は、グルタミン酸ナトリウム
・ うま味でも、人生でも、1+1=10になることがあります
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関連記事:なぜ昆布は海の中でダシが出ないの?

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