もうすぐバレンタインデーですね!

昨日、近くのコンビニに行ったら、バレンタインフェアみたいなのがやっていて、板チョコが山積みされていました。チョコを手作りする人は多いようです。すばらしいです。

 

チョコを手作りしたことない人にとっては、
「手作りっていっても、ただ、市販の板チョコを溶かして、冷やして固めるだけでしょ?簡単じゃん!」
と勘違いしてしまいがちですが、ところがどっこい、そんな単純な話ではありません。

 

チョコレート作りは、これまで長い年月をかけて、先人が試行錯誤を繰り返した末に得られた高度な技術を駆使した、血と汗の結晶なのです!市販のチョコを溶かしてしまうことは、先人の血と汗の結晶を無にしてしまう行為であり、元のクオリティ以上のおいしさのままに作り直すには、ものすごーーいテクニックが必要となります!市販のチョコを溶かす行為は、作ったメーカーの人にとってはショック大きく、まさに失恋ショコラティエ状態。愛の力は時に残酷です・・・

 

というわけで今日は、チョコをおいしく作るコツ「テンパリング」の秘密についてお話します!

 

チョコレートの原料は?

チョコレートとは、
・カカオマス(カカオの種子を発酵・焙煎したもの)
・カカオバター(カカオマスから搾り取ったもの:ココアバターとも言う)
・砂糖
・粉乳(生乳の水分をなくして粉末にしたもの)
などを混ぜて作られたものを言います。

また、「カカオ○%」というのは、カカオマスとカカオバターの割合を示しています。

カカオマスは色や風味に、カカオバターはなめらかな口溶けの素になります。チョコレートの味は、カカオの品種や原産地、配合や製法の違いで大きく変わります。

※ちなみに余談ですが、「ショコラ」は、チョコレートをフランス語でオシャレに言い換えたものです。

 

テンパリングとは?

テンパリング(tempering)は、辞書的には、金属などの焼き戻しを指す英語ですが、
一般的にテンパリングとは、45~50℃に溶かしたチョコレートを25~27℃に冷やし、再び31~32℃に加熱してから冷やし固めるという温度調整の工程を言います。テンパリングを行うと、つややかで柔らかい口当たり、なめらかな口溶けのチョコレートに仕上がります。

 

なぜテンパリングが必要なのか?

溶かしたチョコレートをそのまま冷蔵庫などに放置して凝固させると、非常に口当たりの悪いものになってしまいます。これは、チョコレートの原料になっているカカオバターの性質によるものです。

 

カカオバターの性質

カカオバターの結晶は、融点、密度、結晶形などが異なる6タイプに分類されます。
この中で、おいしいのはV型結晶だけです。

チョコ結晶型2

チョコ結晶模式図

・I型~Ⅳ型の結晶・・・融点が低くて、密度も低い。型から外しにくく、製品に不向き。
・V型・・・結晶粒径が細かくて口どけ滑らか!見た目も光沢があってキレイ!高密度なので型からきれいに外れやすい!
・Ⅵ型・・・融点が高く、口に含んでも溶けにくい、ボソボソとして美味しくない。ブルームの出た美味しくないチョコレート(下図)は、安定化したⅥ型結晶なのでした。Ⅵ型結晶は融けにくいだけではなく、結晶粒径が粗いため、溶けてもざらつきのある食感になり、見た目も悪くなります。

 

テンパリングせずに、ただ溶かして冷やしただけだと、I型~IV型の結晶ができてしまい、チョコがすぐ溶けてしまいます。また、せっかくテンパリングをしてV型のチョコを作っても、そのあとの温度管理が悪いと(高温で溶けちゃってまた固まったりすると)、VI型の結晶になりやすくなります。ご注意ください。

ブルームの出たチョコの写真

チョコブルーム写真

※融点とは、この温度になると溶けるよ!という温度です。
例えば、氷は0℃になると溶けるので氷の融点は0℃となります。融点が33℃、というのは、32℃までは溶けないけど、33℃になると溶けちゃうよ!ということです。

テンパリングの目的はカカオバターの各結晶構造の融点の差を利用し、結晶構造を全てV型にすることです。

 

 おいしいV型の結晶を作るには?

<工場で大量に作るとき>
①まず、チョコを40℃以上で溶かします。
②チョコを30℃くらいで維持して、混ぜながらチョコを固めます。
そうすると、V型のチョコができます!
(I~IV型は固まらないので)

ただ、この方法では、チョコがなかなか固まらず、すごく時間がかかってしまいます。

なので、家庭では、以下の裏技を使うのがオススメです(というか、ネットなどではほとんどがこの裏技を紹介してます)

<家庭でチョコを手作りするとき>
①チョコレートをボールに入れて45~50℃に加温して溶かします。
②水をはったボールにつけて底を冷やしながら、 空気が入らないようにゆっくり混ぜます。25~27℃に下がれば、水から外します。
そうすると、IV型とV型のチョコが短時間で固まります!
③湯せんにかけ再び31~32℃まで加温し、よくかき混ぜます。
そうすると、チョコがIV型⇒V型となります!

以上が、水冷法といわれる、一般的なテンパリングの方法です。

 

この温度調整、文章で書くと簡単そうですが、目標の温度で維持するのは、かなり難しいです。

「よし、チョコ全部溶けたぞ!次は27℃くらいまで冷やそう」
「やべ!22℃くらいまで下がっちゃった!温度上げなきゃ!」
「あれ、今度は35℃くらいまで上がった!あわわ」
「あー、また22℃くらいまで下がっちゃったーどうしよー」

というふうに、テンパってしまう可能性も高いです(ある意味、これが本当のテンパリング)

テンパリング

この他に、失恋ショコラティエの松潤がやってたような「ダブリール法」というのもありますが、プロのショコラティエ以外は知らなくて大丈夫と思われます。非常に熟練した技術が必要みたいで、私もよくわかりません。松潤に聞いてみましょう。

 

ちなみにものすごく余談ですが、私は、「有名人でいうと誰に似てる?」と女の子に聞いたときに、「松潤と櫻井翔を足して3で割った感じ」と言われたことがあります。
3で割るのなら3人名前を挙げてほしかったのですが、、、それでもなんか嬉しかったです。

 

参照:cuoca「失敗しないテンパリング」
参照:本高砂屋「基礎講座:チョコレートのテンパリング」
参照:チョコレートを美味しくする物理:高エネルギー加速器研究機構
参照:脂質の構造と物性-食品物理学の立場から:佐藤清隆氏

 

 最もチョコをもらいやすい状況は?

10年くらい前でしょうか。私は「トリビアの泉」という番組がすごく好きでした!
「トリビアの種」のコーナーで、いろんな偉い先生方が、「中学生が、バレンタインに最も学校でチョコをもらいやすい状況」について真剣に考えていました。

そこで導きだされた正解は・・・

 

 

放課後にカバンを開けて机に置いておく

でしたー!

カバン開けた

たしかに、思春期の頃では、直接チョコを渡しにくい人も多いと思われますので、机の上にこれ見よがしにカバンを開けっ放しにして置いておいて、自由に入れてもらう作戦は悪くないです。

中高生のみなさん、ぜひご参考ください。

まあ、でも、カバン開けっ放しにしてしばらく放置していたのに、帰ってきても何も入ってなかったら、それはそれで悲しい気持ちになると思います。たぶん入ってない・・・

まあ、そんなときは、自分でチョコをテンパリングして、作って食べましょう!

(追伸)
当協会で開発した味覚診断チョコも、バレンタインのプレゼントに人気の商品となっております。
ぜひお試しください!

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本日のまとめ

・テンパリングとは、チョコを溶かして固める時の「温度調整」のこと
テンパリングの目的は、カカオバターの結晶構造の融点の差を利用し、V型の結晶にすること
・チョコもV型が一番おいしいけど、ドラクエもVが一番面白いです。

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