前回の記事「アクエリアスとポカリスエット、どっちがおいしい?」では、「ポカリの方がおいしい」と感じる人が多い結果となりました。

アクエリアスとポカリスエット、なんで味が違うのでしょうか?

 

この答えを探すため、今日は、(面倒臭すぎるから普通は誰も考えない)、原材料と栄養表示からのレシピ推理をしてみました!!

 

 

 

 アクエリアスとポカリスエットのレシピを考えてみる

原材料表示と栄養成分表示から、アクエリアスとポカリスエットのレシピを考えてみます。実は、これらの表示から、ちゃんと考えればレシピがほとんど分かってしまうのですが、普通の人は、考えるの面倒くさいので、そこまで考えないと思います。今日は、森進一のモノマネの練習をしたくなるくらいヒマだったので、そんなことに時間を使うよりは、と思い、原材料、栄養成分表示からレシピの推理をしてみました!

 

アクエリアスとポカリスエットの原材料

 

 

アクエリアス、ポカリスエットの栄養成分2

 

 

 

・アクエリアスのレシピ

まず、分かりやすいところから考えてみましょう。

 

<果糖ぶどう糖液糖>

でんぷんを異性化させた、果糖とぶどう糖です。
参照:ジュースに入ってる「果糖ぶどう糖液糖」とは?~「食品添加物」や「ぶどう糖果糖液糖」との違い~

 

味、効果

甘いです。
飲料として「おいしくするため」、また、「エネルギー(カロリー)」を付与するために入れていると思われます。

 

添加量(100mLあたり)

栄養成分で「炭水化物4.7g」と書いてあります。
アクエリアスの原材料の中で、炭水化物はこの「果糖ぶどう糖液糖」だけなので、

⇒果糖ぶどう糖液糖 4.7g

で間違いありません。

 

 

<アルギニン、イソロイシン、バリン、ロイシン>

これらは、すべてアミノ酸です。

参照:必須アミノ酸、ペプチド、BCAAって何? ~アミノ酸の味・構造・効果~

 

味、効果

全部、苦いです。

アルギニンは、免疫機能改善や強壮効果があります。
イソロイシン、バリン、ロイシンは、3つ合わせてBCAA(分岐鎖アミノ酸)と言われ、筋タンパク中にたくさん含まれており、運動後の疲労回復に効果があります。

 

添加量(100mLあたり)

栄養成分に全部そのまま書いてありますね。

⇒アルギニン25mg、イソロイシン1mg、バリン1mg、ロイシン0.5mg

 

 

<塩化K>

塩化カリウム(KCl)です。

 

味、効果

味は、苦味を伴う塩味があると言われ、「減塩」を謳ってる商品に、食塩(塩化ナトリウム)の代わりとして使われることもあります。

ミネラルの1つである「カリウム」を付与するために入っていると思われます。

 

添加量(100mLあたり)

栄養成分で「カリウム 8mg」と書いてあります。

カリウム(K)の分子量・・・39.1
塩素(Cl)の分子量・・・35.4

であることから、
塩化カリウム(KCl)の量=8×(39.1+35.4)/39.1=15

と計算できます。

⇒塩化K 15mg

 

 

<硫酸Mg>

硫酸マグネシウムです。

 

味、効果

苦味があります。海水に含まれていて、海水から塩を作るときにできる「にがり」成分の一つです。
ミネラルの一つである「マグネシウム」を付与するために入ってると思われます。

 

添加量(100mLあたり)

栄養成分で「マグネシウム 1.2mg」と書いてあります。

マグネシウム(Mg)の分子量・・・24.3
硫酸マグネシウム(MgSO4)の分子量・・・120.4

であることから、
硫酸マグネシウム(MgSO4)の量=1.2×120.4/24.3=6

と計算できます。

⇒硫酸Mg 6mg

 

 

さて、これまでの結果を整理してみましょう。

アクエリアスのレシピ2(途中)

もう、半分くらいのレシピが解明されましたね!

頑張って残りのレシピも推理していきましょう!

 

 

 

<塩化Na>

塩化ナトリウム、つまり食塩のことです。

 

味、効果

ご存知のとおり、味はしょっぱい(塩味)です。
ミネラルの一つである「ナトリウム」を付与するために入ってると思われます。

 

添加量(100mLあたり)

栄養成分で「ナトリウム 40mg」と書いてあります。
ナトリウムは塩化Naとクエン酸Naに含まれておりますので、

塩化Naに含まれるNa+クエン酸Naに含まれるNa=40mg

ということになります。

 

また、原材料表示は「量の多い順に記載する」というルールがあるため、
クエン酸Naは25mg(アルギニンの量)以上入っていることになります。

食品に使われるクエン酸Naは、一般的にクエン酸三ナトリウム(クエン酸にNaが3つくっついてる)であり、

Naの分子量=23
クエン酸三ナトリウムの分子量=258.1

であることから計算すると、

クエン酸ナトリウムの量が25mgであった場合のナトリウムの量=25×(23×3)/258.1=7

つまり、クエン酸ナトリウムには少なくとも7mgのナトリウムが含まれていることになり、

塩化Naに含まれるNa=40-7=33mg

Clの分子量=35.4
であることから

NaClの量=33×(23+35.4)/23=84

塩化Naは最大84mg入っていることになります(クエン酸ナトリウムが25mgの時)

 

また、原材料表示は「量の多い順に記載されている」というルールより

塩化Na>クエン酸Na

となります。

塩化Naに含まれるNa量を▲とするとクエン酸Naに含まれるNaは40-▲と表すことができます。

塩化Naの量=▲×(23+35.4)/23
クエン酸Naの量=(40-▲)×258.1/(23×3)

計算すると▲>23.8

となり、最小の塩化Na量=23.8×(23+35.4)/23=60

つまり、塩化Naの量は60~84mgと導き出されます。
(同様に、クエン酸Naの量は25~60mgと計算されます)

⇒塩化Na 60~84mg

 

<クエン酸Na>

酸味の代表であるクエン酸のナトリウム塩です。

 

味、効果

クエン酸のように酸味があるわけではなく、酸味を和らげたり、味の調整をする機能があります。

 

添加量(100mLあたり)

塩化Naのところでご説明したとおりです!

⇒クエン酸Na 25~60mg

 

 

<クエン酸>

代表的な酸味成分です。
参照:梅干しやレモン、すっぱい食べ物はなぜおいしい?~クエン酸の機能~

 

味、効果

すっぱいです!クエン酸の酸味で、爽やかさを付与しているのだと思われます。

 

添加量(100mLあたり)

これは、ヒントが少ないので推測するしかないのですが、
・クエン酸Naが25~60mgで塩化Naが60~84mg
・アクエリアスを飲んだ時に、酸味を感じる(塩味はあまり感じない)。個人的に、塩味より3~5倍は酸味があるのではないかと。
・クエン酸の閾値は食塩(塩化Na)よりも5倍くらい小さい(クエン酸は食塩の1/5の量でもすっぱいと感じる)

ことから、クエン酸の量は、食塩(塩化Na)よりも気持ち少なめに入っているレベルだと思われます。だいたい60mgくらいでしょう。

というわけで・・・

⇒クエン酸 60mg

 

 

<香料>

香料とは、その名のとおり、食品に香り(と味)を付与する添加物です。

 

味、効果

こればっかりは、何の香りなのか、ノーヒントすぎてお手上げです。

 

添加量(100mLあたり)

これも、他の原材料の量から推定するしかありません。

クエン酸Na・・・25~60mg
クエン酸・・・60mg

より、

⇒香料 25~60mg

 

 

<甘味料(スクラロース)>

砂糖の600倍甘い、高甘味度甘味料の一つです。
参照:なぜ甘いのにゼロカロリー?~高甘味度甘味料とダイエット~

 

味、効果

カロリーを抑えつつ甘さを付与することが出来ます。また、もしかすると、砂糖の甘味よりもスクラロースの甘味のほうがアクエリアスの味にマッチするのかもしれません。

 

添加量(100mLあたり)

これもあまりヒントがない・・・

前回の記事(アクエリアスとポカリスエットはどっちがおいしい?~味覚診断イベント調査結果~)では、
「ポカリとアクエリ、どっちが甘い?」との質問に、「ポカリのが甘い」と答えた人は、「アクエリのが甘い」と答えた人よりも多い結果でした。

つまり、ポカリの甘さ > アクエリの甘さ ということになります。

アクエリの果糖ぶどう糖液糖は4.7g、ポカリの砂糖と果糖ぶどう糖液糖と合計は6.2g(砂糖と果糖ぶどう糖液糖の甘さはほぼ同じ)であることから、スクラロースの甘さは砂糖1.5g分より少ないことになります。

スクラロースの甘さは砂糖の約600倍であることから、

スクラロースの量<2.5mg

となります。

⇒甘味料(スクラロース) 1~2.5mg

 

 

<乳酸Ca>

乳酸カルシウムです。

 

味、効果

味にはほとんど影響を与えません(味の変化を抑える、味を整える効果もあるようです)。
ミネラルの一つである「カルシウム」を付与します。

 

添加量(100mLあたり)

ノーヒントでフィニッシュです。

⇒乳酸Ca 1~6mg

 

 

<酸化防止剤(ビタミンC)>

レモンなどに入っているビタミンCです。
参照:なぜ市販のお茶にビタミンCが入ってるのか?~食品添加物と原材料表示の豆知識~

 

味、効果

ビタミンCは、このくらいの量ではほとんど味に影響はありません。
酸化(酸素と反応して品質が劣化すること)を防ぎます。

 

添加量(100mLあたり)

これも、ヒントなさすぎてどうしよもない・・・

⇒酸化防止剤(ビタミンC) 1~6mg

 

 

さて、お待たせしました。
アクエリアスのレシピ(推理)を発表します!

アクエリアスのレシピ(完成)

これで、家でもアクエリアス作れますね(笑)

 

 

・ポカリスエットのレシピ

さて、続いてポカリスエットのレシピを考えます。

もう、だいたい考え方も分かってきたと思いますので、サクッと書きます!正直ちょっと疲れてきてしまいました^^
特に、アクエリアスで使った原料についてはサクッと添加量だけご説明します。

 

<砂糖、果糖ぶどう糖液糖>

いわゆる、甘いやつです。

炭水化物が6.2gなので、砂糖と果糖ぶどう糖液糖の合計が6.2g、となります。

⇒砂糖、果糖ぶどう糖液糖 6.2g

 

<食塩>

これは、ポカリスエットの公式HPに記載があります。塩分が約0.12gだそうです。

⇒食塩 120mg

 

<果汁>

ジュースに含まれている果汁です。
参照:ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」や「オレンジジュース」という表示の秘密~

何の果汁なのかと思って調べてみたら、グレープフルーツなどの柑橘系の果汁らしい。詳細は企業秘密ですねやっぱり。

 

 

さて、ポカリスエットの表示をよく見てみましょう。ポカリスエットの果汁表示

無果汁って書いてあるのに「果汁」入ってるー!

Why Japanese People!!
わかりにくいだろ!果汁入ってるのか入ってないのかどっちだよ!!

ポカリスエットと厚切りジェイソン

 

ちなみに、規則によると・・・

5%未満の果汁を添加している場合

・無果汁
・果汁含まず
・果汁ゼロ
・実際の含有量(果汁3%、など)

のどれかを表示しなければならないのです。

よって、大塚さんは、「無果汁」と表記することを選択したのだと考えます。
なるほど、納得しました。ネクスト!!

 

おっと待った、、よくよく考えてみてください。

「果汁」って、ポジティブなイメージですよね?規則では「実際の含有量」を表記することもできます。
果汁入ってるのに、わざわざ「無果汁」って表記するのおかしいです。

Why 大塚製薬 People!!おかしいだろ!!なぜわざわざ「無果汁」って書くんだ!!

 

これは、「ほんのちょっとしか入ってないから」に違いありません。

果汁が3%とか入ってれば、「果汁3%入り」とアピールするはずです!
おそらく、果汁の量は1%未満です。それなら納得です。「果汁0.4%入り」とか表示しても微妙なので、それなら「無果汁」でいいや!って感じになったのだと思われます。ふむふむ。果汁1%未満で間違いない。違ってたらすみません・・・

⇒果汁 0.12g~1g

 

<塩化K>

塩化カリウム(KCl)です。アクエリアスにも入ってましたね。
同様に、添加量を計算してみましょう。

栄養成分で「カリウム 20mg」(アクエリアスの2.5倍)と書いてあるので、
塩化カリウムの量もアクエリアスの2.5倍です。

⇒塩化K 38mg

 

<酸味料、香料>

酸味料は、おそらくクエン酸がほとんどだと思います。(ちなみに、クエン酸Naも酸味料のくくりになりますが、ナトリウム量と食塩量から考えると、クエン酸Naはほとんど入ってないと考えられます)

酸味料、香料ともに、添加量はヒントがありません。

⇒酸味料、香料 38~120mg

 

<乳酸Ca>

乳酸カルシウムです。これもアクエリアスにも入ってますね。
ポカリは「カルシウム2mg」と表示されてるので、計算可能です!

同様に分子量から計算すると・・・

⇒乳酸Ca 11mg

 

<塩化Mg>

塩化マグネシウム、「にがり」として、豆腐に使われるやつです。とても苦いです。

アクエリアスには入ってないですね(アクエリアスは硫酸Mg使用)。

栄養表示に「マグネシウム0.6mg」と書いてあるので、計算すると

⇒塩化Mg 2mg

 

<調味料(アミノ酸)>

これも、「調味料(アミノ酸)」と書かれてると具体的に何なのか分からないのですが、経験上、グルタミン酸ナトリウム(うま味成分)の可能性が高いと思われます。

※ちなみに、「調味料(アミノ酸)」と書いてある場合は、グルタミン酸+グアニル酸 or イノシン酸の可能性高いです。

⇒調味料(アミノ酸) 2~11mg

 

<酸化防止剤(ビタミンC)>

アクエリアスにも入ってますね。
アクエリアスに1~6mg入ってますので、ポカリにも1mg以上入ってると考えられます。

⇒酸化防止剤(ビタミンC) 1~2mg

 

 

 

さて、お待たせしました。
ポカリスエットのレシピ(推理)です!

ポカリスエットのレシピ

これで、ポカリも家で作れますね(笑)

 

 

 

アクエリアスとポカリスエットのレシピ(100mLあたり)を比べてみましょう。

アクエリアスとポカリスエットのレシピ

アクエリアス、ポカリスエットの味について、個人的な感想としては、
ポカリの方が甘味と塩味が強く(濃く感じ)、アクエリの方が酸味が強くさっぱりしてます。

なので、ポカリの「果汁」と「酸味料」には、クエン酸成分は少なめなのだと思われます。

 

レシピを見る限り、甘味・塩味成分はポカリ多そうですね・・・

「味の相互作用」の記事でお話したように、塩味が強いからこそ甘味を強く感じるのかもしれません。

 

ポカリとアクエリ、どっちを飲むべき??

<ポカリスエット>
ポカリのほうが、糖分や塩分も多く、浸透圧も考慮されており「体に吸収されやすい」ように作られていると感じます。

脱水症状の時、風邪で体がだるい時 ⇒ポカリ飲みましょう

 

<アクエリアス>
アクエリは酸味も強めでさっぱりしており、疲労回復に効果的なアミノ酸も配合されていることから「スポーツした後に飲む」のに適したように作られていると感じます。

運動して喉乾いたとき ⇒アクエリアス飲みましょう

 

 

さて、今日のお話は以上となります。
この記事は、本ブログ開設以来の超大作となりました。正直、読んでて疲れるような内容(計算多すぎ・・・)だし、書いてる途中で何度も心が折れそうになりましたが、何とか書き上げることができちょっと感激しております。

 

しかし!!

アクエリアスの過去データ見てみると、結構頻繁にレシピ改訂してることが判明!!

ちょっと前のアクエリアスは、はちみつ、ローヤルゼリー、トレハロースなど入ってました・・・。
レシピを改訂されたら、この記事の魅力半減です。オーマイゴット

 

アクエリアス、ポカリスエット、どっちも、今のレシピのままですごくおいしいです!!改訂する必要ないですよ!!

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本日のまとめ

・脱水症状の時はポカリ
・スポーツの後はアクエリ
・ポカリもアクエリも、今のレシピがベスト

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