もうすぐボジョレー・ヌーボーが解禁ですね!
時差の関係上、日本は世界でもトップクラスの早さで解禁されます!やったー!
私は正直ワインは詳しくないのですが、ミーハーなので、ボジョレーヌーボーは飲みます。コンビニにもたくさん置かれますね!
でも「正直、ボジョレーヌーボーって何のことかよく分かってないや」という方も多いかと思います。
今日は、そんな方のために、ボジョレーヌーボーのトリビア(豆知識)についてサクッと分かりやすくお伝えします!
ボジョレーヌーボーに関する7つのトリビア
1.「ボジョレー」はフランスの地名。「ヌーボー」はフランス語で「新しい」という意味
つまり、ボジョレーヌーボーは、直訳すると、「ボジョレー地方の新酒」ということです!
古くから、「今年のブドウは良いかな?ダメかな?」と確かめるための「試飲用のお酒」として飲まれていたようです。つまり、今年売られているボジョレーヌーボーは、100%、今年のブドウから作られています!
ちなみに、「ボジョレー」と「ボージョレ」と両方の表記があって、「どっちが正しいの?」と不安になりますが、どっちでも良いです。フランス語の読み方の問題です。「ピザ」と「ピッツァ」みたいな。
あと、多くの人が勘違いしてると思いますが、「ヌーボー」は地獄先生のことではありません。それは「ぬ~べ~」です。ごめんなさい。
2.ボジョレーヌーボーに白ワインはない
フランスにはAOC法と呼ばれるワインに関する法律があり、
ボジョレー・ヌーボーは、「その年にボジョレーで地方で収穫された、ガメイ種のブドウ100%であること」が義務付けられています。
ガメイ種は、赤ワインを作るための品種であり(ロゼもありますが)基本的に赤ワインです。フルーティで、渋味が少なく、爽やかな酸味が特徴です。
・ボジョレーの(ヌーボーじゃない)白ワイン ⇒ ある!
・ボジョレー以外の(隣の地区の)ヌーボーの白ワイン ⇒ ある!
・ボジョレーヌーボーの白ワイン ⇒ ない!
これは、法律でも決められています。ボジョレーヌーボーらしき白ワインを見つけたら、ボジョレーじゃないか、ヌーボーじゃないか(そもそも白ワインじゃないか)どれかです。気を付けましょう!
3.解禁日は、11月の第3木曜日
フランスは「美食」のイメージがありますよね。
ボジョレーヌーボーは、古くからボジョレー近くの美食の街であるリヨンなどでよく飲まれ、人気が各地で高まって、販売店が「早くワインを手に入れたい!」と争うようになりました。その結果、生産者も、「1日でも早くブドウを収穫して、作って、出荷しよう!」と競い合うようになり、どんどんエスカレートして、「このワイン、マズくね?」という劣悪品がたくさん市場に出回る事態になってしまいました!!
そこで政府が動きます。
ボジョレーヌーボーというブランドを守るため、1967年に「解禁日は11月15日にします!!それより早く売っちゃダメでーす!」と決めました。
しかし!!
11月15日と日付を決めてしまったので、15日が日曜だったら、流通業者や販売店の店員さんは働かなければいけません。「解禁日を勝手に決められてせいで休日出勤やし!ブラック企業かよ!!」と反対されます。
そのせいで、15日が休日の場合は、せっかくの解禁日にワインが飲めないこともしばしばあり・・・。
そこで1985年、政府は「仕方ないなー、解禁日は11月の第3木曜日にするから、しっかり働きたまえ!」と変更となり現在に至るわけです。
ちなみに日本では、越前ガニ、松葉ガニなどのカニの解禁日は11月6日で固定であり、休日でも関係ないようです。日本人は真面目ですね!
4.ブドウの収穫から出荷までは約2ヵ月。一般的なワイン(1~3年)と比べ、とても短い!
みなさん、ワインの作り方は、どのようなイメージですか?
こんな感じで、美女がブドウを踏み踏みして作るイメージがあるかと思います。
しかし、ボジョレーヌーボーは、ブドウを踏み踏みしません!!
「マセラシオン・カルボニック法」という特殊な方法でワインを作ります!
「マセラシオン・カルボニック法」とは?
マセラシオンとは?
ある成分を抽出させるために、漬け込むことです。
緑茶や紅茶をイメージしてください。茶葉を、お湯につけると、成分が出てきますよね。あんな感じのことを「マセラシオン」と言います。「マセたライオン」と覚えましょう。
カルボニックとは?
炭素の、とか、炭酸の、みたいなイメージです。
つまり、「マセラシオン・カルボニック」とは?
日本語に訳すと「炭酸ガス浸潤法」と言います。
マセラシオン・カルボニック法では、、、
ブドウを踏み踏みして潰さずに、タンクにたくさん入れるだけ
⇒タンク下部のブドウは、上部のブドウの重みで潰れ、果汁が流れ出る
⇒ブドウの皮などに付いてる酵母の働きで、発酵が始まる
⇒炭酸ガスが生成
⇒タンク全体が炭酸ガスで充満
⇒タンク上部の潰れてないブドウ内部でも、酵素の働きでリンゴ酸が分解
⇒アルコール、アミノ酸、コハク酸などが生成され、ブドウの皮からも成分が浸出
⇒渋味や苦味が少なく、フレッシュなワインが出来上がり!!
これは、「ブドウを嫌気(無酸素)状態にすると、酵素の働きでアルコールが生成される」という知見を活かした技術です。素晴らしいですね!
このように作ったワインは、タンニンが少ないわりには色が濃いです。リンゴ酸が分解されているので、味わいもまろやかで、全体的にライトな感じでもあり、新酒でも充分においしく飲めます!
5.冷やした方がおいしい
一般的なワイン・・・冷やし過ぎると、タンニンの渋味が強くなり飲みにくい!
ボジョレーヌーボー・・・タンニンが少なく、渋くならない!
よって、ボジョレーヌーボーは、10℃~15℃(冷蔵庫で1時間くらい冷やしたくらい)がおいしく飲めると言われています。
ちなみに、ここで出てくる「タンニン」は、先生のことではありません。
「3年2組のタンニン、なんか渋いよね」とか言うことありますが、この場合のタンニンは冷やしても渋くはなりません。というか、担任を冷やしてはいけません。気を付けましょう。
6.一般的なワインと違って、保存してもおいしくならない。劣化するだけ。
「マセラシオン・カルボニック法」で作っているボジョレーヌーボーは、熟成が長ければ長いほどおいしくなるわけではありません(成分を考えても、出荷後に熟成することはない)
よって、出荷されたら、なるべく早く飲みましょう!!早ければ早いほど良いです!
賞味期限は、だいたい半年ほどと言われていますが、年を越す前までに飲んだ方が良いと思います。
こんな感じで、ボジョレーヌーボーには、基本的に、ヴィンテージという概念はありません。
「1945年のロマネコンティください」とは言いますが(私はお金ないので言えませんが・・・)、「1945年のボジョレーヌーボーください」と言ったら頭おかしいと思われるので気を付けましょう。
7.販売業者の「10年に1度の出来」という評価は、2年に1度のペース
ボジョレーヌーボーは、その年のブドウの出来を評価するための試飲用のワインでもあります。
よって、それぞれの年ボジョレーヌーボーの評価は重要です!
それでは、販売業者による、過去20年の評価(ウィキペディア記載)を見てみましょう。
1995年「ここ数年で一番出来が良い」
⇒1995年以前の出来がよく分からないのですが、この年は例年以上に出来が良いことが分かります。「数年で一番良い」ということは、「5年に1度」レベルでしょう、きっと。
評価:5年に1度レベル
1996年「10年に1度の逸品」
⇒早速、「10年に1度」が出ました!この年はものすごく出来が良かったのだと推測されます。
評価:10年に1度レベル
1997年「まろやかで濃厚。近年まれにみるワインの出来で過去10年間でトップクラス」
⇒前年が10年に1度の出来だったにも関わらず、まさかの「近年まれにみる」「過去10年でトップクラス」という評価。
評価:10年に1度レベル
1998年「例年のようにおいしく、フレッシュな口当たり」
⇒1996、1997年は「10年に1度」レベルのおいしさなのですが、同じくらいおいしいということでしょうか。
評価:10年に1度レベル
1999年「1000年代最後の新酒ワインは近年にない出来」
⇒「近年にない出来」というのは、さすがにネガティブな意味ではないと思いますので、低く見積もっても例年レベルのおいしさだと推察されます。
評価:10年に1度レベル
2000年「今世紀最後の新酒ワインは色鮮やか、甘みがある味」
⇒この年の評価は「色鮮やか」「甘味がある」と、ワインであれば当たり前のことしか言ってないので、出来が悪いのだと推察されます。
評価:1年に1度レベル
2001年「ここ10年で最もいい出来栄え」
⇒ここ10年間、ほとんどが「10年に1度レベル」なのに、まさかの「ここ10年で最も良い」という評価!10年に1度以上のレベルなのでしょう。
評価:15年に1度レベル
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
⇒まさかの、「さらに前年を上回る」という評価!そして「過去10年で最高の01年を上回る」と言いつつ、「1995年以来の出来」という矛盾。1995年は過去10年のはずですが・・・。というか、1995年って、そんなに評価が高かったんですね^^。
評価:20年に1度レベル
2003年「110年ぶりの当たり年」
⇒まさかの「110年ぶり」。ドラゴンボールの戦闘力ですら、こんなにインフレしません。「10年に1度レベル」じゃ、平均以下な気がしてきました・・・。
評価:110年に1度レベル
2004年「香りが強く中々の出来栄え」
⇒やっと、普通の評価が来ました。「中々の出来栄え」とぼかしていますが、例年に比べて良くないのでしょう。
評価:1年に1度レベル
2005年「タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』」
⇒良いのか悪いのか、よく分からないですね・・・「ザ・ヌーボー」って何やねん。。。
評価:保留
2006年「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」
⇒どんな意味で語り継がれているか不安ですが、さすがにポジティブな意味でしょう。76年は語り継がれるのも分かるとして、前年のワインを「語り継がれる」と表現するのはどうかと思いますが。まあ、05年の同じレベルとのことですので、05年の評価を待ちましょう。
評価:保留(05年と同レベル)
2007年「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」
⇒普通の評価が出てくると、なんか逆に安心しますね。これも、ワインであれば何とでも言える評価なので、例年レベルなのでしょう。
評価:1年に1度レベル
2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
⇒07年と似たように、安定感のある評価ですね!
評価:1年に1度レベル
2009年「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」
⇒まず、05年が「過去最高」であったことが驚きです。それならその時に言えばいいのに・・・。「ザ・ヌーボー」が過去最高のことだったとは笑。つまり、05年は120年に1度レベルで、06年も、09年も、50年に1度くらいのレベルなのでしょう。
評価:50年に1度レベル
2010年「2009年と同等の出来」
⇒シンプルで分かりやすい評価ですね!50年に1度の出来が、2年連続です笑。
評価:50年に1度レベル
2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
⇒またスゴイやつが来ました^^。05年が「過去最高」と言っていたので、03年ではなく05年と比較してほしかったのですが。「21世紀最高」というのは「過去最高と言っていた05年以上」なので、つまり、過去最高ということでしょう!
評価:150年に1度レベル
2012年「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全」
⇒やっと、ソムリエの言葉みたいな、まともな評価ですね!
評価:1年に1度レベル
2013年「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
⇒これも、素晴らしいとは言えど、具体的な数字がないので、1年に1度レベルだと考えます。
評価:1年に1度レベル
2014年「太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、果実味豊かな味わい」
⇒豊かな表現ですが、例えば、お世辞にも美人とは言えない人を「笑顔が素敵」とか「健康的」とか「安産型」と言ってごまかすような感じにも見えます・・・。
評価:1年に1度レベル
2015年「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」
⇒09年は50年に1度レベルですが、ただ「思い起こさせる」だけなので、低く見積もって、例年レベルだと考えましょう。
評価:1年に1度レベル
さて、整理してみると・・・
1995年: 5年に1度レベル
1996年: 10年に1度レベル
1997年: 10年に1度レベル
1998年: 10年に1度レベル
1999年: 10年に1度レベル
2000年: 1年に1度レベル
2001年: 15年に1度レベル
2002年: 20年に1度レベル
2003年:110年に1度レベル
2004年: 1年に1度レベル
2005年:120年に1度レベル
2006年: 50年に1度レベル
2007年: 1年に1度レベル
2008年: 1年に1度レベル
2009年: 50年に1度レベル
2010年: 50年に1度レベル
2011年:150年に1度レベル
2012年: 1年に1度レベル
2013年: 1年に1度レベル
2014年: 1年に1度レベル
2015年: 1年に1度レベル
⇒ 平均: 31年に1度レベル
「10年に1度の出来」という評価は、もしかしたら平均以下なのかもしれません笑。気を付けましょう。
(私が飲んで評価したわけではなく、あくまで、ウィキペディア記載の「販売業者の評価」から推測したものです)
今年は、どんな評価なのか楽しみですね!
ワインの飲み比べは、味覚を育てる意味でも、すごく有意義だと思います。
ボジョレーヌーボー解禁を機に、ぜひ、いろんなワインを飲んでみてください!
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本日のまとめ
・ボジョレーヌーボーは、その年のブドウで作ったワイン。
・解禁日は、11月の第3木曜日。
・10年に1人の逸材は、結構よく見かけるので注意しましょう。
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