ミネラルウォーターのコンビニ売上ランキング(2014年8月4日~10日)を調べてみました。
1位 南アルプスの天然水
2位 いろはす
3位 エビアン
4位 ボルヴィック
5位 クリスタルカイザー
どれも有名ですね。みなさん、全部飲んだことありますか?
この上位5つのミネラルウォーターの中で、1つだけ、硬度が突出して高いものがあります。
硬度が高い分、味も違うと思いますが・・・
1つだけ違うものは、どれでしょうか?
「ミネラル」とは?
さて、ミネラルウォーターのお話ですが、
そもそも、「ミネラル」って何のことでしょうか?
「ミネラル」は、5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル)の1つで、 なんとなく体に良さそうなイメージはあるものの、具体的に何のことか分かる人は少ないと思います。
正解は・・・
”地球上に存在する元素のうち、水素、炭素、窒素、酸素以外”
がミネラルでしたー。
水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)から成るものを、「有機物」と言います。
それ以外を、「無機物」と言います。
つまり、ミネラル=無機物ということです。
上図の元素周期表の、赤丸を囲んだ部分以外が「ミネラル」です。
ほとんどミネラルですね!世界はミネラルとやさしさで出来ているといっても過言ではないでしょう。
ところがどすこい、実は、私たちの体の95%以上は、有機物でできており(約60%は水です)、 ミネラルは5%以下なのです。びっくりですね。
と、今までは広義の「ミネラル」の説明ですが、金やプラチナを普通ミネラルとは呼びません。
体の成長や維持に欠かせない「必須ミネラル16種」を、一般的に「ミネラル」と呼ぶようです。
一般的に、以下の16種が「必須ミネラル」と言われています。
(ミネラルは体内で作ることができません)
・カルシウム
・リン
・カリウム
・硫黄
・塩素
・ナトリウム
・マグネシウム
・鉄
・亜鉛
・銅
・マンガン
・クロム
・ヨウ素
・セレン
・モリブデン
・コバルト
このうち、硫黄、塩素、コバルトを除く13種類について、「日本人の食事摂取基準」で摂取量の指標が定められています。
(参照:完全栄養食とは?~1日に必要な「必須栄養素」一覧~)
硬度とミネラルの関係
水には、「硬水」と「軟水」の区別がありますが、
「硬水はミネラルが多い!」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
硬度は、カルシウムとマグネシウムの量だけに規定されるものなので、ミネラル全般を示すものではありませんが、
硬度が高い ⇒ カルシウムとマグネシウムが多い ⇒ ミネラルが多い
ともいえるので、間違いではありません。
硬度の計算式(簡略化Ver.)は
硬度(mg/L)=2.5×カルシウム(mg/L) + 4.1×マグネシウム(mg/L) です。
なお、硬度とはそもそも、洗濯する時の石鹸の泡立ちにくさを示すもの(硬水は泡立ちにくい)であり、 カルシウムとマグネシウムで計算式の係数(補正値)が違うのは、泡立ちやすさの違いと思ってもらって大丈夫です。
ちなみに、”おいしい水の条件”は
○無色透明で臭みがない
○水温が体温より20~25℃ほど低い温度
○カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが適度に入っている
と言われています。
カルシウム、マグネシウムは水の味に深く関わっているということです。
つまり、硬度が違うと、味も違うはずですね。
と、前置きがすごく長くなりましたが、冒頭の問題
1 南アルプスの天然水
2 いろはす
3 エビアン
4 ボルヴィック
5 クリスタルカイザー
この5つのミネラルウオーターの中で、1つだけ、硬度が突出して高い(味が違う)ものは、どれでしょうか?
正解は・・・
エビアンでしたー!
いろはすは、ペットボトル容器だけじゃなく、水も軟らかいんですね。
というか、上位ほとんど軟水ですし、日本人は軟水が好みの人が多いようです。
エビアン、硬度が高いと言っても、実際飲んでみても他の水と違い分かんないよー
という方が大多数かと思います。
そんな時は、「コントレックス」です。
ちなみに私は足が短いのが昔から気になっていましたが、それは「コンプレックス」です。余計なお世話です。
「コントレックス」は、めっちゃ硬水です(硬度1500くらい)。
ダイヤモンド水、と、私が勝手に名付けています。
コントレックスを飲むと、なんだこれ!と感じるか、ふむふむなるほどね、と思うか、
人それぞれだと思いますが、軟水と硬水の味の違いを分かりやすく感じることができるのでオススメです。
「硬水」「軟水」に適した料理
なお、硬水と軟水では適した料理も違います。
和食全般は、軟水が合います。硬水には旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸が溶け出しにくい上に、カルシウムやマグネシウムがアミノ酸と結合し、あくになってしまうといわれているためです。
逆に、肉を煮込む料理には硬水が向いています。カルシウムが肉を硬くする成分と結びついてあくとして出るためです。
ご飯には、軟水が合います。
軟水で米を研ぎ、炊き上げると、お米の細胞がきれいな網目構造になり、ふっくら粘り気のあるご飯が食べられます。
硬水で炊くと、硬水に含まれるカルシウムが食物繊維を硬化するので、炒飯やパエリア、ピラフなど、パラパラに仕上げたご飯料理には、中硬水が適しています。
以上!!
ミネラルウォーターの硬度のお話でした!!勉強になりましたね!!
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本日のまとめ
・ ミネラル=水素、炭素、窒素、酸素以外の物質=無機物
・ 硬水は、カルシウムとマグネシウムが多い
・ いろはすとエビアンとコントレックスを飲み比べてみてみましょう
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参考文献
『万病を防ぐ「水」の飲み方・選び方』(講談社+α文庫) 著者:藤田紘一郎
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