「コク」って、何なのか分かりますか?
え?料理人??それはコックです。
いろんな商品に「コク」って書いてありますが、いまいち何のことなのかよくわからないよ、って方も多いかと思います。
今日は、「コク」に関するお話です!
カレーや、シチュー、ラーメンスープには「コクがある」って言いますよね。
でも、梅干しや海苔、スイカには、あまりコクを感じません。でも、コクがなくてもスイカはおいしいです。
「コクがあればおいしい」というわけではないようです。
また、味が濃い食べ物の方がコクがあるような気もしますが、例えばすごく砂糖をたくさん入れた水を飲んでも、甘ったるいだけで、コクは感じません。味が濃ければコクがある、というわけでもないようです。
「コクがある」ってどういうこと?
<コクのある料理>
・多種の食材を使用し、長時間煮込んで料理したもの(カレー、シチューなど)
・長時間熟成したもの(チーズ、生ハムなど)
・油脂が多く含まれているもの(とんこつラーメンなど)
多種の材料や長時間の製造プロセスを経て作られるものが、「コクがある」と感じやすいようです。
また、専門家の方々の知見を参考にすると・・・
「コク」とは、
・濃厚感(あつみ)
・持続性
・広がり
がある時に感じられる味わいで、
・味
・香り、風味
・食感
など、いろんな要素が複合的に重なって生じる味わいであると考えられます。
このように、「コク」は複合的な要素が関わっている味わいだと考えられていますが、最新の研究により、「コク」を付与する物質=「コク味物質」が存在することが分かりました!
コク味物質って何?
代表的なコク味物質の一つは、「グルタチオン」です。
アミノ酸である
・グルタミン酸(うま味成分)
・システイン(肌トラブル改善効果あり)
・グリシン(睡眠の質を高める効果あり)
の3つがくっついてできたものが「グルタチオン」です!
この「グルタチオン」は、玉ねぎやニンニクなど多くの食品に含まれています。
「グルタチオン」自体は、何の味もしないものの、他の味の厚みや持続性、広がりを引き出す、つまり「コク」を付与する効果があることが分かっています。
「グルタチオン」は、
・活性酸素(酸化ストレス物質)を除去
・体内の有害物質を体外に排出
するのに必要である、重要な物質です。
(メチルグリオキサールを乳酸に変換する機能も持っています)
このように、体に必要な物質だからこそ、「コク」のように、人にとって心地よい味を引き出すのかなと考えられます。
「グルタチオン」と「カルシウム感知受容体」
なぜ「グルタチオン」は「コク」を引き出すのか?という疑問から、「グルタチオン」のことをいろいろと調べてみたところ、
「グルタチオン」は「カルシウム感知受容体」に反応することが分かりました!
この事実から、
”「カルシウム感知受容体」と反応するものは「コク味物質なのでは?」” という仮説が立てられ、調べてみたところ、「カルシウム感知受容体」を刺激するものは、コク味物質が多いことが分かりました!すごいですね!
(カルシウム感知受容体を邪魔する物質を一緒に食べると、コクは弱くなることも分かりました!)
そして、「カルシウム感知受容体と、より強く反応する物質は、コク味も強いのでは?」という仮説が考えられ、「カルシウム感知受容体」との反応性の強い物質を調べてみたら、ものすごく反応性が強い物質が見つかりました!それが「グルタミルバリルグリシン」です。
「グルタミルバリルグリシン」とは?
「グルタチオン」と同じく、3つのアミノ酸がくっついてできています。
グルタチオンでは、真ん中のアミノ酸が「システイン」ですが、グルタミルバリルグリシンでは、真ん中のアミノ酸が「バリン」になっています。
「グルタミルバリルグリシン」は、醤油などの食品中にも含まれています。
この「グルタミルバリルグリシン」は、「グルタチオン」よりも強くカルシウム受容体と反応し、コク味は「グルタチオン」の約10倍あります!!
最近、このコク味物質は食品使用が認められましたので、現在、多くの加工食品にこの「グルタミルバリルグリシン」が含まれています。
「コク味」と健康
低脂肪の食べ物に「コク味物質」を付与することで、コクや脂っぽさ、全体の味わいが強くなります。脂肪を気にされている方は、「低脂肪」+「コク味」を食べることによって、おいしく、健康的な食事ができるかもしれませんね!
私も最近お腹がブヨブヨしてきましたので、「ライザップ」か、「ワンダーコア」か、「コク味」を駆使して健康になりたいなと思います!
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本日のまとめ
・代表的なコク味物質は「グルタチオン」と「グルタミルバリルグリシン」
・コク味物質 ⇒ カルシウム感知受容体を刺激
・低脂肪牛乳だと物足りない人はコク味を駆使してみましょう!
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