肌寒くなってきましたね。寒い冬は、鍋が美味しい季節です!
私は鍋料理が大好きなのですが、鍋のお世話をするのは苦手なため、鍋奉行にはなれません。鍋奉行は友人に任せています。
でも、アクを取ることはできるので、せっせとアク取りしています。そのため私は、「アク代官」と呼ばれています。
しかし、アクって、具体的には何のことでしょうか?
今日は、アクについて、アク代官の私からご説明させていただきます!
アクとは?
皆さん、「アクって何?」と聞かれたら、何と答えますか?
いざ聞かれると、何と答えてよいか困ってしまいますよね。
まず、辞書を調べてみました。
goo国語辞書によると、アクとは
① 植物を焼いた灰を水に浸して得る上澄み液。アルカリ性を示し、古来、洗剤・漂白剤として、また染色などに用いる。
② 山菜や野草などに含まれる、渋み・えぐみなどのもとになる成分。「ウドの灰汁を抜く」
③ 肉などを煮たときに、煮汁の表面に浮き出る白く濁ったもの。「スープの灰汁をすくい取る」
④ 独特のしつこさや粘っこさなどがあって、なじみにくい個性。「灰汁の強い人」
と記載があります。
「アク」の本来の意味としては、①の「植物を焼いた灰を水に浸して得る上澄み液」のことのようです。なので、「アク」は漢字では「灰汁」と書くんですね!
この「灰汁」を使用して食品が有するクセのある強い味を処理したことから、②、③のように、食品の嫌な味やクセそのものも「アク」と呼ぶようになりました。
そして、④のように、クセのある人にも「アク」という言葉を使うようになりました。
つまり、「アク」とは、一言でいえば、「クセのあるやつ」ということです!
食べ物の「アク」
辞書にも載っているように、食べ物のアクは
・植物性(野菜・山菜)のアク
・動物性(肉・魚介類)のアク
の大きく2種類があります。
植物性(野菜・山菜)のアク
多くの植物は、外敵から自身を守る意味でも、アクの元となる成分を有しています。
山菜等のアクは、体に害となるものもあるため、丁寧に取り除いたほうが良いと考えられています。
植物性のアクの成分は複数ありますが、代表的なものは
・シュウ酸
・タンニン
です。
シュウ酸とは
シュウ酸は、私がお酒を飲む頻度のことではありません。それは週3です。
シュウ酸は、カルボン酸が2つくっついた、最もシンプルなジカルボン酸です。
シュウ酸は、カタバミ(oxalis) から初めて単離された物質であり、英語でoxalic acidと言います。カタバミのほか、多くの植物に含まれております。
食べ物でいうと、ほうれん草やタケノコに含まれているのが有名ですね。
なお、ほうれん草等に含まれるシュウ酸は、一般的にはえぐ味の成分であると考えられておりますが、文献「ホウレンソウのえぐ味はシュウ酸に由来するか(堀江秀樹ら、日 本 調 理 科 学 会 誌Vo1.39,No.6,357~361(2006) 」によると、シュウ酸自体が、えぐ味・苦味をもたらしているわけではないと報告されています(私も、この文献は信頼できると考えますので、同様に考えます)。
タンニンとは
タンニンとは、山本先生のことではありません。それは担任です。
タンニンは渋味物質の一つであり、ポリフェノールの一種で「タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称」です。
タンニンに関する詳細は、
渋味の基礎知識~ポリフェノール、タンニン、カテキンとは?~
の記事をご参照ください!
動物性(肉・魚介類)のアク
肉や魚介類を煮た時のアクは、煮汁に溶け出した水溶性のタンパク質や脂質、ミネラル等が固まってできた、白色・薄茶色をした泡状の浮遊物のことです。鍋料理をしてて肉を入れた時に出てくるやつですね!
このアクは、うま味成分などの栄養素を含んでいるのですが、クセのある味・臭いも吸着しているため、美味しさを損ない、見た目も悪くしてしまう可能性があります。よって、一般的には雑味や濁りが出ないようにアクは除去されることが多いです。
しかし、アクの持つクセの強さは、料理によっては食材の個性を際立たせる強みにもなるため、敢えて肉のアク等をソースに加えることもあるようです。
以上、本日は「アク」のお話でした!
「アク」は、一般的には嫌われて除去されます。アクの強い人も、敬遠されがちです。
しかし、クセの強い「アク」を上手く活用することも、料理(人生)の醍醐味の一つだと思います。「アク」は、完全な「悪」ではないのです。
「アク」についてしっかり理解し、「アク」と上手く付き合って人生を楽しみましょう!
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本日のまとめ
・アクとは、「クセのあるやつ」のこと
・食べ物のアクは、植物性(山菜・野菜)と動物性(肉、魚介類)の2種類がある
・鍋の世話をする人は「鍋奉行」、せっせとアクを取る人は「アク代官」と呼ばれる
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