前回の記事で、「苦味」の感じやすさと年齢の関連性をご紹介しましたが、
今回は、苦味の代表的な食べ物であるピーマンの好み（嗜好性）と
苦味の感じやすさの関係についてご紹介したいと思います！
ピーマンは、子供が嫌いな食べ物の代表としてよく挙げられますよね！
私も子供の頃、ピーマンは嫌いでしたし、大人になった今でも嫌いです。
そもそも、果たして本当にピーマンは子供が嫌いな食べ物なのでしょうか？
このたび、368名の方を対象に、
ピーマンが好きかどうかを5段階評価（以下）で質問してみました。
5・・・好き
4・・・やや好き
3・・・どちらでもない
2・・・やや嫌い
1・・・嫌い
ピーマンの嗜好度（平均点）と、年齢との関係は以下の通りです！
※青い点線は近似曲線を示します。
結果としては、やはり一般論として言われている通り、
年齢が低い方がピーマンを嫌いな傾向にあり、
年齢が高くなるにつれてピーマンを好みやすいということがわかります。
特に、20代以下と30代以上で顕著な差がありますね！
30歳を超えるとやっとピーマンの味がわかってくるということでしょうか。
ただ、「9歳以下」、「10代」の結果を見ても、
（他の年齢層よりスコアは低いものの）
嗜好度の「平均点」は3点以上あることがわかります。
5・・・好き
4・・・やや好き
3・・・どちらでもない
2・・・やや嫌い
1・・・嫌い
という調査でしたので、
子どもでも、ピーマンを嫌いな人より好きな人の方が多いということですね！
イメージとして子供はピーマンが嫌いな人の方が多いと思っていましたが、
そこまでみんなが嫌っているという訳ではなさそうです。
では続いて、本日のテーマである
「ピーマンの好みと苦味の感じやすさ」について見てみましょう！
368名の方に、当協会が開発・販売している「味覚検定チョコ」を用いて
苦味の感じやすさ（苦味感度）を測定しました。
※「味覚検定チョコ」とは、食べるだけで味覚が良いか、悪いか（味覚偏差値）を
チェックすることができるチョコレートです。
ご興味のある方は是非チャレンジしてみてくださいね。
では、本題に戻りまして、、
「苦味の感じやすさ」（味覚検定チョコの「苦味」の正解率）と、
アンケート調査による「ピーマンの好み」との相関関係を以下に示します！
今回の調査では、
ピーマンが嫌いな人の方が、苦味を感じやすい！
という傾向が見てとれました。
苦味感度が高い人ほど、ピーマンの苦味を敏感に感じ取ってしまい、
結果として「嫌い」と感じやすい、ということが考えられます。
ただ、これは全ての食べ物について
「嫌い」な人ほど「感度が高い」という訳ではありません。
※例えば今回の調査では「苦味」の代表的な食材として
ピーマンだけでなく「コーヒー」等についても同様の調査を実施しましたが、
嗜好度と苦味感度について特別な傾向は見られませんでした。
※過去の調査では、
・ビターチョコが好きな人は「苦味」を感じやすい
・リンゴが好きな人は「酸味」を感じやすい
という結果も出ています。
※参考記事：「ミルクチョコ」「ビターチョコ」「ホワイトチョコ」の違い～ミルクチョコよりビターチョコが好きな人は苦味の味覚感度が良い？～
参考記事：「バナナとリンゴ、どっちが好き？」と聞くだけで味覚の良さが分かる？～すっぱい食べ物が好きな人は酸味感度が良い？～
味覚感度と嗜好性の関係について、
「好き」な方が味を感じやすいのか
「嫌い」な方が味を感じやすいのか
は、今のところは食材によって結果が異なり、一概に言うことができない状況ではありますが、
私たち一般社団法人日本味覚協会では今後とも研究・調査を進めていきたいと考えています！
また今後とも様々な調査結果について本サイトでご紹介させていただきたいと思います！
お楽しみに！！！
———————————————————————————–
本日のまとめ
・年齢が高い方がピーマンを好きになりやすい。
・ピーマンが嫌いな人の方が苦味を感じやすい。
・最後までこの記事を読んでくれてうれピーマン！
————————————————————————————
※関連記事：ピーマンの苦味を消す７つの方法～「赤ピーマン」と「パプリカ」の違いは？～
※関連記事：あなたの好きな野菜の種類は？野菜人気ランキング！
※関連記事：味覚の良さは遺伝子が関係してる？～苦味遺伝子～
※関連記事：コーヒーとビールとゴーヤの苦味成分は違う？～３大苦味成分の覚え方～
※関連記事：味覚と温度の関係とは？～温度による味の感じ方の違い～