大人になると食べることができないもの、それが給食です。
(私はたまにソフト麺が食べたくなります)

給食は美味しいだけでなく、栄養バランスがきっちりと考えられているイメージですが、
では、給食を食べると1日に必要な栄養のうちのどのくらいを摂取できるものなんでしょうか?

給食さえ食べれば、あとはおやつばっかり食べてても大丈夫なんでしょうか!?

今回は、学校給食によって摂取できる栄養について考えてみました!

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そもそも、1日に必要な栄養素って?

人は、1日にどのくらいの栄養素を摂取しないといけないんでしょうか?

栄養素ってとってもたくさんあるし、年齢にもよるので、そんなに細かくは決められてないんじゃないの?って思っている方もいるかもしれませんが、

実は、厚生労働省が5年ごとに「日本人の食事摂取基準」を定めていて、
各栄養素ごとに摂取すべき量を、性別、年齢別の区分で、ものすごーく細かく決めています。

ここでは詳細は割愛しますが、例えば、2020年版の基準によると、
ビタミンCは、1日に100mgを摂取することが望ましいと定められています。(15歳以上/男女)

 

 

 

給食ではどのくらいの栄養が摂取できるの?

このように、1日にどのくらいの栄養を摂ればいいか、
というのは国がきちんと決めてくれているのですが、

では、給食を食べると、そのうちのどのくらいが満たされるのでしょうか?

 

給食って、栄養がきちんと考えられているイメージがあるので、
なんとなく、1日の半分くらいの栄養はありそうな気もしますよね。

それとも、3食のうちの1食だから、単純に栄養素も3分の1しかないんでしょうか?

 

 

この給食の栄養については、前述の「日本人の食事摂取基準」を参考にして、
「学校給食摂取基準」というものを文部科学省が定めています。

 

この「学校給食摂取基準」では、
給食によって、1日に必要な栄養素のどのくらいの割合を摂取すべきか、が策定されていて、
こちらもいろいろと細かく定められているのですが、

今回、わかりやすくグラフにしてみました!

 

 

エネルギー

まず、一番上のエネルギーの区分を見てみましょう。
給食によって得られるエネルギーは、1日に必要な量の3分の1(33%)とされています!

 

これは、例えば小学校6年生(11歳)の場合、

1日に必要なエネルギーが2,337kcal(男女平均)だから、
給食ではその3分の1である780kcalを目安にしよう!

というような考え方になります。

※ものすごく細かい話ですが、給食のエネルギーは、
「日本人の食事摂取基準」で定められている1日に必要な数値を3分の1にしたものではなく、
「学校保健統計調査」により算出した1日必要量を3分の1にしているようです。(ほぼ同じですが)

 

給食はお昼ご飯だから、朝より多め、とか、夜より少な目、みたいな計算がある訳ではなく、
純粋に、朝、昼、晩のうちの1つだから3分の1、としているのがちょっと意外ではありました。

まぁエネルギーについては、多く設定しすぎると太ってしまったりするので、
単純に3分の1とするのが妥当なのかもしれません。

 

ちなみに、エネルギーは
炭水化物、たんぱく質、脂質
によって産出されるのですが、

「日本人の食事摂取基準」では、内訳を

炭水化物・・・・50~65%
たんぱく質・・・13~20%
脂質・・・・・・20~30%

と定めていて、「学校給食摂取基準」でも同様の割合が基準値とされています。

※例えば、わかりやすく1日に摂取するエネルギーを2,000㎉として計算すると、
50~65%に相当するエネルギー量は、2,000kcal×0.5~0.65=1,000kcal~1,300kcal。

炭水化物は1gが約4kcalなので、1,000kcal~1,300kcal÷4kcal=250g~325g。
つまりこの場合、1日に250g~325gの炭水化物を摂取することが望ましいということができます。

 

※給食では、上記の3分の1(33%)と定められているので、
この場合、1日に摂取すべき炭水化物の量である250g~325gを3で割った数値、
つまり83g~108gくらいが必要な炭水化物の量とされることになります。

 

 

 

ミネラル

ミネラルの区分を見てみると、

まず
ナトリウムについては、3分の1(未満)と設定されています。

ナトリウムは、塩(塩化ナトリウム)のことを指しているので、

※参考記事:減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~

多くとりすぎないようにしつつも、あんまり薄味になっちゃってもね・・・ということで
単純に3分の1(未満)と設定されているようです。

 

同様に、マグネシウムと亜鉛も3分の1と設定されています。
(マグネシウムは、小学生は3分の1ですが、中学生では40%とされています)

 

 

なお、注目すべきはカルシウムです。

カルシウムについては、1日に必要な量の半分(50%)を給食で摂ることができます!

給食には毎回牛乳が出ていたことが思い出されますね。

どうやら、カルシウムは給食で摂らないと不足する人が多い!というデータがあり、給食で多く摂取するように定めているようです。
とはいえ、それでも1日に必要な量の半分しか摂取できないわけなので、
家でもきちんとカルシウムを摂らないといけない、ということですね。

 

 

また同様に、鉄も3分の1よりは多い量(40%)が給食の基準値として定められています。

 

 

ビタミン/食物繊維

ビタミンについては、
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2
が、3分の1よりも多い割合(40%)として定められています。

ビタミンCについては、3分の1(33%)とされています。

 

また、食物繊維も、ビタミンAなどと同様に、3分の1より少し多めの数値(40%)が設定されています。

 

 

つまり、まとめると?

つまり!給食は、栄養についてきちんと考えられているとはいえ、

(一部、カルシウムや鉄、ビタミン、食物繊維などは1日必要量の40~50%を摂取できるものの)
基本的には、1日に必要な栄養の3分の1(33%)しか満たすことができない!

ということがわかります。

 

給食を食べてるから栄養は十分にとれてるっしょ?
と甘く見るのではなく、家庭でもしっかりと栄養を摂るように心掛けましょう!

 

 

食育の役割

ここまで、給食の栄養について述べてきましたが、
給食はただ必要な栄養を摂取するだけでなく、食育の役割もあり、
多様な学びを得ることができるような工夫がされています。

 

たとえば、地元で育てられた食材を給食で食べる、地産地消の推奨です。
(小学生の頃の献立表に、「今日は地元農家○○さんの食材です」というコメントをよくみましたよね)

給食に地産地消の食材を取り入れることにより、地域の自然や文化、農業に関する理解を深めることができます。

 

そのほかにも季節や行事にちなんだ献立や、郷土料理などの地域に根付く伝統的な料理などが、食育のために給食のメニューになることがあります。

みなさんの地域にもご当地給食メニューはあったでしょうか?

 

そこで以下では、いくつかのご当地給食メニューを紹介したいと思います。

 

北海道 スープカレー

札幌市内の喫茶店が発明したとされる今や観光客にも有名なスープカレーが、北海道では、給食に出るそうです。

野菜もたっぷり入った栄養満点のスープカレーは、子どもたち人気、間違いなしですね。

 

 

岩手県 芋の子汁

※写真は農林水産省HP 「ふるさと給食自慢」より

「芋の子」とは、さといものことを指す岩手県の方言です。
秋に旬を迎えるさといもと、にんじんやだいこん、ごぼうなどの根菜と、きのこや豆腐、鶏肉を煮込み醤油で味付けしています。
岩手では家庭の食卓にもよく並ぶ、伝統的な郷土料理だそうです。

 

 

富山県 ベニズワイガニ

※写真は農林水産省HP 「ふるさと給食自慢」より

給食にカニが丸ごと一匹出るなんてまるで夢みたいですが、富山県射水市では年に一度、小学校6年生の生徒を対象に、カニが1匹ずつ提供されるようです。

インパクト抜群ですよね!
子どもたちがふるさとに誇りをもてるような給食だと思います。

 

 

埼玉県 ゼリーフライ

埼玉県北部の行田市のご当地料理「ゼリーフライ」は、スイーツのゼリーとは全くの別物です。
衣のついていないコロッケみたいですね。
潰したじゃがいもを、おから、ねぎ、にんじんなどと合わせて小判状に成形し油で揚げた料理です。

ゼリーフライの由来は、小判形であることから「銭フライ」と言われていたものが、なまって「ゼリーフライ」になったと言われています。

ごはんだけでなく、パンに挟んでもおいしそうですね!

 

 

愛知県 イカフライのレモン煮

愛知県西尾市の学校給食で出される定番メニューです。
イカフライをレモンをきかせた醬油ベースの甘辛いタレに絡めたもので、なんだかごはんがもりもり進みそうですね!

また、このイカフライのレモン煮は、名古屋めしの「みそカツ」がヒントになって生まれたという説もあるようです。

給食で人気に火がつき、今では市内の飲食店でも食べることができる大人にも子どもにも愛されるソウルフードです。

 

 

以上!今日は給食の栄養やご当地料理に関するお話でした!

 

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本日のまとめ
・給食は「学校給食摂取基準」に基づき定められていて、1日に必要な栄養の33%~50%を摂取できる。
・給食の献立は、地産地消やご当地メニューなど、食育のために創意工夫されている。
・栄養は、体にええよう。
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