先日の記事で、「お酒を飲む人は味覚が悪い」傾向がある旨の論文をご紹介しました。
※参考記事:お酒を飲む人は味覚が悪い?~飲酒等の生活習慣と味覚の関係~
しかし!
私たち一般社団法人日本味覚協会にて調査を行ったところ、
上記の定説とは異なるとても興味深い結果が出ましたので、ご紹介をさせていただきます!
飲酒と味覚(全体)の関係
先日の記事では、生活習慣と味覚に関する調査をした論文について、
以下のように結果をまとめさせていただきました。
この図(左上)を見ると、
飲酒習慣がある人は味覚が悪い傾向にあることがわかるのですが、
日本味覚協会にて121名の方を対象に基本五味の感度を測定する調査を行ったところ、
飲酒に関するアンケートとの相関において、以下の結果となりました!
飲酒の頻度について、
・ほぼ毎日
・週に1~5回
・週に1回未満(年1回以上)
・飲まない
という区分でデータを取ったところ、
なんと、
お酒を飲まない人の方が味覚が悪い
という結果が出ました。
これは前述の論文とは矛盾する結果ですよね。
一体どうしてこのような結果が出てしまったのでしょうか?
飲酒と味覚(うま味)の関係
実は、前述の生活習慣と味覚に関する論文においては、
「味覚」の測定について、「基本五味」すべてではなく、
うま味を除いた4つの味(甘味・塩味・酸味・苦味)を調査していました。
今回の日本味覚協会の調査では、
基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)すべての調査を行っています。
そこで、今回の調査における「うま味」だけの感度を抜き出してみました。
なんと、
お酒を飲まない人は、「うま味」の感度が著しく低い
ことがわかりました。
また逆に、
ほぼ毎日お酒を飲む人は、「うま味」の感度がとても高い結果となりました。
※うま味以外の4味(甘味・塩味・酸味・苦味)の感度においては、
「ほぼ毎日」お酒を飲む人が一番数値が低い結果となったので、
前述の論文とは矛盾がないことになります。
ではなぜ、お酒を飲む人はうま味の感度が高い
(お酒を飲まない人はうま味の感度が低い)のでしょうか?
当協会による過去の調査によると、
・だし好きな人は「うま味」感度が高い
・和食好きな人は「うま味」感度が高い
という結果が出ています。
※参考記事:だしが好きな人はうま味感度が高い?~うま味の嗜好性と味覚感度の関係~
※参考記事:「和食好きな人」と「洋食好きな人」はどっちが味覚が良い?~うま味と和食の関係~
お酒も、(ものによりますが)アミノ酸由来のうま味成分が含まれている食品と言えますので、
だしや和食と同様に、好きな人の方がうま味感度が高くなる、
と言えるのかもしれません。
当協会では追って仮説立案及び検証(実験)をしていきたいと思います。
【参考】味覚ってどうやってチェックできるの?
前述の論文や調査では、
味覚の感度を測定した上で飲酒との相関を見ていましたが、
そもそも自分の味覚が良いか悪いかって、なかなかチェックする機会がないですよね!
そこで、当協会では、食べるだけで味覚偏差値がわかるチョコレート
「味覚検定チョコ」を開発・販売しています!
現在、バレンタインキャンペーン中です。
この機会に、是非ご自身あるいは親しい方の味覚をチェックしてみてはいかがでしょうか!?
以上!本日は飲酒と味覚(うま味)に関するお話でした!
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本日のまとめ
・お酒を飲まない人は、「うま味」の感度が低い
・逆に、お酒をほぼ毎日飲む人は、「うま味」の感度が高い
・味覚をチェックするには「味覚検定チョコ」がおすすめ
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