最近とっても寒くなってきました。
夏が終わったと思ったら、秋を感じる時間がほとんどないまま冬が来たようです。

このように季節について想いを馳せていると、
「あれ、もしかして、味覚って、季節によって違うの?」
「夏と冬って、どっちが味覚が良いとかあるの?」

と考える人がいるかもしれませんね!

今日はそんな人のために、味覚感度と季節の関係についての論文をご紹介します!

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夏と冬では夏の方が味覚が良い?

味覚の感度については、私たち日本味覚協会でもこれまで様々な調査を行ってきましたが、

※参考記事:「バナナとリンゴ、どっちが好き?」と聞くだけで味覚の良さが分かる?~すっぱい食べ物が好きな人は酸味感度が良い?~

※参考記事:苦味感度と年齢の関係は?~若い方が味覚が良いわけではない?~

 

味覚と季節の関係についてはこれまで調査を行ってきませんでした。

 

 

そこで今日は、以下の論文

『女子大学生を対象とした基本5味の味覚閾値に関する研究:夏期と冬期の比較』
矢島由佳ほか,日本栄養・食糧学会誌,74(6),297–305(2021)

の内容をご紹介させていただきます!

 

 

この論文によると、

大学生191名を対象に、
夏と冬、どちらの季節の方が味覚が良いか、を調査しました。

 

※基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)って何?という人は下記をご参照ください。
参考記事:味の分類~5つの基本味「五味」~
参考記事:味覚の「基本五味」とは?~基本味の定義と基本味に含まれない味~

 

 

詳細な調査方法は割愛しますが、、、
結果は、以下の通りです!

甘味:夏の方が味覚が良い
塩味:夏の方が味覚が良い
酸味:夏の方が味覚が良い
苦味:夏の方が味覚が良い
うま味:どちらとも言えない

 

つまり、うま味以外の4つの味について、
冬よりも夏の方が味覚感度が良くなるということがわかりました!

 

 

なんで夏の方が味覚が良くて冬の方が悪くなるの?

季節によって味を感じる力が変わるなんて不思議ですよね?

一体なぜそんなことが起こるんでしょうか?

 

論文内の考察を踏まえ、当協会なりにとりまとめてみました!

 

仮説1:冬の方がエネルギー摂取量が増えるから?

一般的に、味覚感度が下がることと、摂取量が増えることには、相関関係があると考えられています。

例えば、塩味の感度が低い人は、塩味を感じようとして、
たくさんの塩分を摂取してしまう、というわけですね。
これは、「おばあちゃんの作る味噌汁がしょっぱい問題」としてよく例に挙がります。
(一般的に高齢者になると味覚が悪くなり、その分味付けが濃くなってしまうという話)

 

ただ、この論理は、あくまでも

味覚感度が下がる→摂取量が増える

という矢印の向きが成り立つという話です。
この論理であれば、前述の例が示すように、納得性があります。

 

しかし!今回の実験(仮説)では、逆の矢印の向き

摂取量が増える(冬は摂取量が増えやすい)→味覚感度が下がる

も成り立つ!

ということが考えられる、というわけですね!

 

 

仮説2:試料の温度の問題?

実験では、試料(味覚感度を測るために飲む液体)の温度も計測していました。
その結果、冬の方が3~5℃ほと温度が低かったようです。

つまり、冬のせいというより、
試料の温度が低いことが味覚感度の低下に関係があるのではないか?
という仮説が考えられました。

 

しかし!

味覚と温度の関係を調べた別の調査によると、
必ずしも温度が低い方が味を感じにくくなるわけではありません。

たしかに、甘味とうま味については温度が高い(体温付近)と強く感じやすいのですが、
塩味と苦味については、むしろ温度が低い方が強く感じやすいという結果が出ています。

ですので、一概には温度が低いことが味を感じにくくなる、とは言い切れない、と考えます。

 

※詳細は以下をご参照ください。
参考記事:味覚と温度の関係とは?~温度による味の感じ方の違い~

 

つまり、この「仮説2」は棄却してよいのではないかと考えます。

 

 

仮説3:順番の問題?

一般的に、同じ味覚テストを2回実施した場合、
1回目よりも2回目の方が結果が良くなる傾向があります。

これは味覚が訓練される(慣れる)結果であり、
当協会で実施している様々な検定からも同様の傾向が見て取れます。

つまり!

夏の方が味覚が良いわけではなく、
冬→夏の順でテストを実施したから(夏が2回目だから)味覚が良いのではないか?
という仮説が考えられました。

 

しかし、実際に今回の調査を詳しく見てみると、
対象の191名のうち、
夏→冬の順に調査した人・・・159名
冬→夏の順に調査した人・・・32名

と、大半が1回目が夏、2回目が冬の順番で調査をしていました!

 

この仮説3からいえば、
本来、(大半の人が2回目に調査した)冬の方が味覚が良くなっているはずなのに、
逆の結果(夏の方が味覚が良い)になった、ということですね。

 

つまり、この「仮説3」は完全に棄却して良いといえます。

順番バイアスよりも季節バイアスの方が強い、という一つの興味深い結果だったかなと思います。

 

 

まとめるとどういうこと?

仮説1~3をまとめると、

仮説2:試料の温度が低いから味覚が悪くなる
仮説3:実験の順番が影響している

は正しいとは言いにくく、

仮説1:味覚感度が低い⇔摂取量が増える、という相関関係が成り立つ

が正しいと考えられます。

 

ポイントとしては、

味覚感度が低いから、摂取量が増える
が言えるだけでなく、

摂取量が増えるから、味覚感度が下がる
という論理も成り立ちそうだ、という部分だと思います。

この点は新たな発見でした!

 

 

【参考】味覚が良いか調べるにはどうすればいいの?

味覚が良いか悪いかを調べる機会って、ほとんどないですよね!

一般社団法人日本味覚協会では、
簡易的に楽しく味覚をチェックできる「味覚検定チョコ」を監修・販売しています!

 

 

また、より詳細に味覚の良さを検定できる日本初の検定「味覚検定」もあります!
非常に難易度の高い検定ですが、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。

 

 

以上!本日は味覚と季節の関係についてのお話でした!

 

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本日のまとめ

・夏と冬では夏の方が味覚が良く、冬の方が味覚感度が低くなる
・冬は摂取量が増える傾向にあり、味覚感度低下の要因と考えられる

・「私は夏の方がたくさん食べるよ!」という人は夏に味覚が悪くなってる可能性もありますね
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