「食品ロス」という言葉を聞いたことがありますか?

「食品ロス」とは、「本来食べられるにも関わらず捨てられる食品」のことを言います。

飲食店で働いた経験がある方なら、
販売期限が切れた食品や、調理に失敗した食品お客さんの食べ残しなどを
まだ食べられるのに、もったいないなと思いながらも、
廃棄処分した経験があるのではないでしょうか。

筆者は、ホテルのビュッフェでアルバイトをした初日に、
閉店後、大量に捨てられる料理を見て、唖然とした経験があります。

 

今回は、そんな「食品ロス」の問題の現状、要因、企業・行政の対策、
そして私たちが家庭でできる取り組みについて、紹介していこうと思います!

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食品ロスの現状

 

農林水産省の推計によれば、
平成29年度(2017年4月~2018年3月)の食品ロス発生量は、612万トン

そのうち、
事業活動を伴って発生する食品ロスである「事業系食品ロス」は、328万トン
各家庭から発生する食品ロスである「家庭系食品ロス」は、284万トンになります。


さらに、事業系の食品ロスは更に4業種に分類することができ、それぞれは以下のようになります。

「食品製造業」は、121万トン
「食品卸売業」は、16万トン
「食品小売業」は、64万トン
「外食産業」は、127トン

出典:農林水産省ホームページ

食品ロスの612万トンは、
世界中で飢餓で苦しむ人々に対する食糧援助量である390万トンの約1.6倍にも及ぶのです。

 

わかりやすくいうと、、1人あたり、毎日ごはん一杯分(約132g)を捨てている計算になるんですね!
これはもったいない!!

 

また、食品ロスは家庭系と事業系で約半分ずつ発生していることから、

食品ロスを削減するためには、
消費者と事業者の双方で取り組んでいかなければならないことがわかります!

 

 

食品ロスが起こる原因

 

それでは、なぜ大量の食品ロスが起こってしまうのでしょうか。

まず、事業者側の要因として、

食品メーカーと卸売・小売り店の間にある「3分の1ルール」

があげられます。

 

これは、メーカーから卸売り業者を通じて、小売業者に納入されるまでの期限は、
製造日から賞味期限までの期間の「3分の1」までとするルールです。

また、販売期限は製造日から賞味期限までの期限の3分の2までとされ、
その期間を過ぎると賞味期限内であっても店頭から撤去され、返品や廃棄されてしまうのです。

 

例えば、賞味期限が6ヶ月の商品ならば、その「3分の1」にあたる、2ヶ月以内に
卸売業者は、スーパーなどの小売り店に納品しなければなりません。

その2か月を超えると、それはスーパーには並ばずに、
卸売業者からメーカーに返品されたり、廃棄されたりするのです。

 

この「3分の1ルール」が、アメリカだと2分の1、フランス、イタリア、ベルギーだと3分の2、
イギリスだと4分の3となっているので、
日本の「3分の1」は短いと言えます。

 

これを問題視し、行政とメーカー、卸売業界が連携して、
「納品期限見直し」プロジェクト
を推し進めているようです。

実際に、セブンイレブンは、
「3分の1ルール」の見直しが食品ロス削減にもつながることから、
2014年11月から全店における飲料全品、菓子の一部について納品期限を3分の1から2分の1に変更しました。

参照:セブンイレブンホームページ

 

 

次に、消費者側の要因です。

私たち日本味覚協会では、
消費者の食品ロスに対する意識を調査するために、ブログ上で、

「コンビニで、すぐに食べるお弁当を買うとき、あなたはどちらを選びますか?」

というアンケートを実施しました!
ご協力頂いた方ありがとうございます!!!

 

302人の方にお答えいただき、
180人が、賞味期限が遠い(新しい)もの
122人が、賞味期限が近い(古い)もの
を選ぶという結果になりました。

この結果からも分かるように、すぐに食べるお弁当なのにもかかわらず、
賞味期限がなるべく新しいものを取る方が多いようです。

 

すぐ食べるにしても、同じ値段なら、なるべく新しいものを食べたい人や、
賞味期限が遠いものを取ることが、習慣になっている人もいるのではないでしょうか。

確かに、一人暮らしなど買った食品を消費するのに時間がかかる場合や、
鮮度がおいしさに及ぼす影響が大きそうなサラダなどは、
賞味期限が遠いものを買いたくなるかもしれません。

なんでもかんでも、賞味期限が近いものを買え!というのは難しいと思いますが、
できるところから意識していくことが最も大事だと思います!!

 

 

また、このアンケート結果は、逆の見方をすれば、

すでに4割の人は食品ロスへの意識が高いとも言えます!

このような意識の高まりはこれからも徐々に広まっていくと思いますので、
まだ意識を変えられていない人は、少しずつ変えていけると良いですね!!

 

 

 

すぐ実践できる食品ロス削減法

 

1. 味とおいしさは同じ!規格外品をお得に買う!

 

食品の製造過程では、味やおいしさは、他の商品と変わらないのに、
見ためがちょっと変とか、パッケージの印字ミスなどで、
規格外品となってしまう商品が多くあります。

これらの商品は、廃棄処分されてしまうことが多いのですが、
訳あり商品として、お得に通販サイトなどで買うことができる商品もあります!

農林水産省のホームページの特集内では、以下の企業が紹介されていました!

 

私は信玄餅の訳あり商品を買ったことがあるのですが、、
味は正規商品と全く変わらず、とてもおいしかったです!

会社などへのお土産は正規商品で、
自宅や自分用に、規格外品を買うという利用法も良いかもしれませんね!

 

 

2.買い過ぎない!冷蔵庫の整理整頓をする!

 

買い過ぎないことは、基本中の基本だと思いますが、
スーパーに行って帰ってくると、同じものがあった!なんてことよくありますよね。

それは、冷蔵庫や冷凍庫食品棚整理整頓が、うまくできておらず
自分の家に、何があるのか把握しきれていないのかもしれません。

 

ずっと前に買ったものが奥の方に押し込まれてる可能性があるので要注意!

買いすぎを防ぐためにも、冷蔵庫の整理整頓をしてみましょう!

 

参照:食品ロス削減マニュアル(消費者庁)

 

 

3.食べきれないかもと思ったら冷凍保存する!

 

お買い得品など、ついついすぐに消費できない量を買ってしまったら、
冷凍保存をしてみましょう!

意外と冷凍できる食品は意外と多くて、買った食品に下処理をしておけば
調理する時にも便利なので、おすすめです!

 

冷凍保存をする際は、
買ったらすぐに新鮮なうちに処理すること
解凍後もすぐに調理することがポイントです。

正しい方法で冷凍保存して、食品を長持ちさせましょう!

 

以下のサイトは、冷凍保存できる食品やその方法や保存可能期間などが
載っていて、とても参考になります!

参照:お料理まとめ 野菜の冷凍保存方法と保存期間

参照:旭化成ホームプロダクツ 保存テクニック

 

 

そのほか、

外食では、料理は食べられる分だけ頼んで残さない
家庭でも、料理を作りすぎない
すぐ食べるのものは、スーパーの陳列に従って買う(奥から取らない)

など、意識できる部分は少しずつチャレンジしていけるといいですね!

 

以上、今日は食品ロスに関するお話でした!!

 

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本日のまとめ

食品メーカーと卸売・小売業界には、賞味期限の「3分の1ルール」という商慣習がある
食品ロス発生量は、家庭と事業で大体半々、双方で解決に取り組む必要がある
・チーズ蒸しパンやクリームパンは、冷凍のままで食べると、違う食感になってすごくおいしいよ!!————————————————————————————

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参考記事:「賞味期限」「消費期限」は誰がどうやって決める?~期限切れカンパンはいつまで食べれるか~

参考記事:なぜ同じ飲み物なのに容器によって賞味期限が違うの?~「缶」「瓶」「ペットボトル」「紙パック」の保存性~

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