みなさんは、「お寿司」を食べる時どのようにして食べますか?
ミカさん「どのようにって言われても・・・普通に食べるわよ」
みかくん「ぼくは通だから手で食べるよ!」
ミカさん「通といえば、私はシャリに醤油じゃなくてネタに醤油を垂らしてから食べるわね」
みかくん「ぼくは通だからわさび抜きで食べるよ」
ミカさん「それは通ではなくてただの子供ね」
と、、いろいろな食べ方がありますが、最近は、
お寿司は、逆さまにして食べた方がおいしい!と話題になっているようです。
このような食べ物の天地問題について、日本味覚協会の見解が
TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』で紹介されましたのでご報告させていただきます!
このたび、2020年6月7日に放送されたTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』において、
「食べ物の天地問題」関して取材を頂き、その回答が紹介されました!
お寿司を逆さま(ネタが舌に乗るように)食べるとおいしく感じるメカニズムとは?
ずばり、寿司を逆さまにすることで、
直接ネタが舌に当たること
が、おいしく感じる主要因であると考えられます。
普通に(ネタが上)食べた状態とでは感じ方が違うの?
まず前提として、味は、味蕾(みらい)と呼ばれる細胞の集合体によって感じられます。
味蕾は、口の中全体(上あごの部分など)に存在してはいるものの、多くは舌に存在しているため、
舌が一番味を感じやすい部位であると言えます。
※味蕾については以下の記事をご参照ください。
そして、お寿司は、ネタの部分とシャリの部分に分けることができますが、
ネタの方が味が強く、シャリは味が弱い、と言うことができます。
通常の状態(ネタが上)で寿司を口に運ぶと、
味の弱いシャリの部分から舌に接触し、その後、味の強いネタを感じる、という順番となります。
このとき、味の感じ方はゆるやかである、と言えます。
逆さまにした場合は、
味の強いネタの部分から舌に接触することになり、味の感じ方にインパクト(落差)がある、と言えます。
人は、味の感じ方がゆるやかであるより、インパクト(落差)があった方が美味しいと感じやすくなる傾向があるため、
寿司の場合は逆さまにした方が美味しいと感じやすくなる、と考えられるのです!
エクレアも逆さまで食べた方が美味しいの?
基本的には寿司と同様に逆さまで食べた方が美味しいといえます!
ただし、味の中でも、感じやすい順番があると言われており
(感じる順番は先味、中味、後味と表現されます)、
基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)の中では、
(寿司につける)醤油などに代表される「塩味」が一番先味が強いと言われています。
※先味、中味、後味については以下の記事をご参照ください。
ビールの味の表現で使われる「コク」と「キレ」とは?~先味、中味、後味の観点から考えてみる~
このように、、
甘味はそれほど先味が強くなく、食べてすぐに「甘い!」とはなりにくい味なのです。
そのため、エクレアのように甘味が主である食品については、
前述した「インパクト」が出にくいと言えます。
よって、寿司を逆さまにした場合と比べると、効果は小さい可能性があるのではないかと考えられます。
ほかにも、上下逆さまにした方が美味しい食べものってあるの?
同様のメカニズムが考えられる食品としては、
食パンにバターを乗せた場合、などが考えられます。
こちらも、口に運ぶときにバターの面を下にした方がより美味しいと感じやすいと言えます。
あるいは、ごはんにキムチを乗せた場合なども同様のメカニズムが考えられます。
ごはんの部分を先に舌に乗せるのではなく、
キムチから先に食べた方がよりインパクトを感じやすくなります。
ただし、、、
「お寿司」や「エクレア」、「バターをのせた食パン」、「キムチをのせたごはん」など
上下逆さまでの食べ方の絶対的な難点として、「食べにくい!!!」という問題があります。
お寿司の場合は、ネタにつけた醤油が滴るリスクがありますし、
パンもバターを下にして食べるとバターが滴ってしまう可能性が高いです。
このような「食べにくさ」をストレスと感じる場合は、
無理して上下逆さまにしないでも良いと考えます。
(食事は、ストレスなく楽しく食べた方がいいと思います!!!)
最後になりましたが、紹介してくださったTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』関係者の皆様、ありがとうございました。
日本味覚協会ではこのような活動を通じて今後とも味覚に関する普及活動に努めてまいります。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
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本日のまとめ
・TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』にて、紹介して頂きました!
・お寿司を逆さまで食べるとおいしいのは、味の強いネタが先に舌に接触するから!
・食べにくい場合は、普通に食べてもおいしいので大丈夫です。
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