さて、前回に引き続き、食品表示の品名(名称)に関するお話です!
品名(名称)は、表示の一番上に書かれる大事なものです!しかし、実際に何て書くべきかは、けっこう複雑です・・・。
今日は、品名(名称)の表示ルールについて、分かりやすく解説します!
ポテトチップスの品名(名称)は何て表示される?
ポテトチップスの裏面表示の「品名」の欄には、何て書いてあるでしょうか?
これ、実は、すごく難しい問題なのです!
一括表示とは?
「食品表示の豆知識その①~食品表示法とは?」の記事にもあるとおり、基本的には、食品には(だいたい裏面に)「一括表示」があります。
今日は、この「一括表示」の一番上に記載される、品名(名称)についてご説明します!
カルビーのポテトチップスと、湖池屋のポテトチップスは、名称が違う?
ポテトチップスと言えば、
・カルビーのポテトチップス
・湖池屋のポテトチップス
が有名ですね!
裏面表示を見てみましょう。
なんと、
カルビーのポテトチップスの名称=「ポテトチップス」
湖池屋 のポテトチップスの名称=「スナック菓子」
で違うのです!!
なぜ違うのでしょうか??
品名(名称)表示のルール
品名(名称)表示の記載ルールは、大きくは、以下の3つです。
1.一般的な名称を記載する。
※一般名称ではない商品名や固有名詞を表示できない
2.「個別品質表示基準」で名称が規定されているものは、定められた名称を記載する。
※「個別品質表示基準」で使用を制限された名称は、規定された食品以外は使用不可。
3.乳・乳製品は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第2条」の定義に従った種類別を表示する。
ちょっとよく分からないですよね・・・・
簡単に言うと
・乳(牛乳など)もしくは乳製品(ヨーグルトなど)の場合
⇒「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第2条」に書いてある名前を書く!
・「個別品質表示基準」に規定されている場合
⇒「個別品質表示基準」に書いてある名前を書く!
・その他の場合
⇒一般的な名前を書く!
ということです!!
個別表示基準とは?
食品の中には、個別に表示基準が定められているものもあります。
以下の44品目は、名称が規定されています。
(別に覚えなくて良いと思いますが笑、一応列記します)
※参照:消費者庁HP
①農産物缶詰及び農産物瓶詰
②トマト加工品
③乾しいたけ
④農産物漬物
⑤ジャム類
⑥乾めん類
⑦即席めん
⑧マカロニ類
⑨パン類
⑩凍り豆腐
⑪ハム類
⑫プレスハム
⑬混合プレスハム
⑭ソーセージ
⑮混合ソーセージ
⑯ベーコン類
⑰畜産物缶詰及び畜産物瓶詰
⑱煮干魚類
⑲魚肉 ハム及び魚肉ソーセージ
⑳削りぶし
㉑うに加工品
㉒うにあえもの
㉓うなぎ加工品(輸入品以外)
㉔乾燥わかめ
㉕塩蔵わかめ
㉖みそ
㉗しょうゆ
㉘ウスターソース類
㉙ドレッシング及びドレッ シングタイプ調味料
㉚食酢
㉛風味調味料
㉜乾燥スープ
㉝食用植物油脂
㉞マーガリン類
㉟調理冷凍食品
㊱チルドハンバーグステーキ
㊲チルドミートボール
㊳チルドぎょうざ類
㊴レトルトパウチ食品
㊵調理食品缶詰及び調理食品瓶詰
㊶炭酸飲料
㊷果実飲料
㊸豆乳類
㊹にんじんジュ ース、にんじんミックスジュース
一般的な名前って何?
みかくん「表示の名称が、”一般的な名前”であれば良いことは分かったよ。でも、何が一般的な名前なのかの判断が難しいよ」
ミカさん「確かに、”一般的”っていうのは主観だし、分かりにくいわね。ところで、あなたの名前、これまで”みかく男”だったのに、なぜ今日は”みかくん”なの?」
みかくん「よく気付いたね。”みかく男”って、普通じゃないから変えることにしたんです。電車男とか狼男みたいだし」
ミカさん「やっと気付いたのね。その、”普通じゃない”という感覚が大事なのよ」
みかくん「なるほど。僕は基本的に普通の感覚の持ち主だから、大丈夫だね」
ミカさん「私の友達に、変な感性を持ってる人がいてね」
みかくん「ミカさんも、かなり個性的だと思うけど」
ミカさん「その友達、子供にキラキラネームを付ける人なのよ」
みかくん「キラキラネーム、流行ってるよね」
ミカさん「ほんとに変わってるのよ。恥ずかしいから、一緒にいる時に名前を読んでほしくないのよ」
みかくん「そうなんだ。どんな名前なの?」
ミカさん「四人の子がいるんだけどね。一人目が、愛子。二人目が、眞子。三人目が、佳子。女性の名前に”子”が付いてるのはおかしいわよね」
みかくん「いやいや、いたって普通の名前だよ。今のは日本女性の20%くらいを敵に回す発言だよ」
ミカさん「しかも、四人目は、悠仁(ひさひと)なのよ。読みにくいわよね」
みかくん「いや、たいして読みにくくないよ。てか、ミカさんの友達、皇族じゃないよね?」
ミカさん「私が皇族と知り合いのわけないじゃない。あなた、感性大丈夫?」
みかくん「それなら良かった。まさか皇族をキラキラネーム扱いしたのかと。大変な傷を負うところでした」
ミカさん「ところで、あなたは、切り傷や擦り傷をしたら、傷口に何を貼る?」
みかくん「え?バンドエイドでしょ?」
ミカさん「はい、残念!あなたは一般的な感性の持ち主ではありません」
みかくん「え?どういうこと?」
ミカさん「バンドエイドは、商品名であって、一般的な名前ではないのよ」
みかくん「あれ、いきなり本題に戻ったの?」
ミカさん「一般名称は”絆創膏”よ」
みかくん「絆創膏、は一般名称でいいんだね」
ミカさん「ちなみに、絆創膏のことを”バンドエイド”と呼ぶのは都会の人で、”カットバン”と呼ぶのは田舎の人よ」
みかくん「絆創膏の呼び方を、ざっくり都会と田舎で分けないでください。後でクレームが来てしまいます」
ミカさん「あと、”リバテープ”という人はたぶん九州の人で、”サビオ”という人は北海道の人で、”キズバン”という人は、富山の人よ」
みかくん「いろんな呼び方があるんだね」
ミカさん「ちなみに私の友達の鈴木さんには6人の子供がいて、長男は”鈴木バンドエイド”、次男は”鈴木カットバン”、三男は”鈴木リバテープ”、四男は”鈴木サビオ”、五男は”鈴木キズバン”、六男は”鈴木絆創膏”よ」
みかくん「衝撃の家族だね」
ミカさん「六男の”鈴木絆創膏”だけは一般的な名前で、あとの5人はキラキラネームね」
みかくん「いやいや全員キラキラネームでしょ。鈴木サビオだけがマシに思えるレベル」
ミカさん「ちなみに、この鈴木さん一家は、これまで一度も怪我したことがないそうよ」
みかくん「怪我した時にこそ力を発揮する家族なのに、もったいないね」
ミカさん「今日は長々と会話してしまったので、鈴木家の会話の続きは今度にしましょう」
みかくん「いや、もうこの話は終わりで大丈夫です・・・」
長々と余談を書いてしまい恐縮です・・・・
つまり、食品の名称を付ける時は「一般的な名称だと思ってたら、商品名だったよ!」ということに気を付ければ、たいてい大丈夫だと思います!
(ちなみに、ポテトチップスは、商品名でもあるけれど、一般的な名称でもあるので、付けても大丈夫なのです)
次回は、食品表示で最も重要な「原材料表示」に関する話をしたいと思っています!
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本日のまとめ
・食品の名称には、一般的な名称を使う(一般的であれば商品名でも可)
・カルビーと湖池屋で、ポテトチップスの表示の名称が異なる
・怪我した時に貼るものは?と聞くと、出身地がだいたい分かる
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