香り(嗅覚)は、味覚に密接に関係しています。
かき氷のシロップのように、味は一緒でも「香り」を変えることで
味覚に大きな影響を与える食べ物もあります。
参考記事:かき氷のシロップの味は全部同じ?~おいしいかき氷の作り方と7つのトリビア~
そこで今回は、香りの種類について、わかりやすく分類し、一覧化してみました!
私たち日本味覚協会では各種メディア等から様々な取材のご連絡を頂くことがあるのですが、
「味覚を分類してください!」
と言われた場合、
「基本的には5種類です!」とはっきりと言うことができます。
※参考記事:味の分類~5つの基本味「五味」~
ただし、
「香り(嗅覚)を分類してください!」
と言われた場合、
「うーん、むにゃむにゃ」
とシンプルに答えることができないように思います。
日本香料工業会によると、
香料の調合素材は一般的に「天然香料」と「合成香料」に分類することができ、
天然香料・・・約600品目
※食品衛生法で「動植物より得られる物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物」と定義され、使用できる動植物名が例示として「天然香料基原物質リスト」(平成22年消食表第337号別添2)に記載されている品目数
合成香料・・・3000種類以上
※世界市場で主に取引されているものは約500種類
と膨大な種類があるとされています。
このように数多くの種類がある「香り」については、
各種団体やメーカーなどにより、様々な切り口で分類がされていますが、
今回は、「時間の経過による香り方」を切り口として、
代表的な香りの種類をわかりやすく分類してみました!
時間の経過により香りが変化していく状況を「香り立ち」(あるいは「匂い立ち」)
と呼び、以下の3段階に分けられます。
トップノート・・・5分~10分くらいで香る
ミドルノート・・・30分~2時間くらいで香る
ラストノート・・・2時間~で香る
(揮発度の高いものから香るという特徴があります)
それぞれの段階において、代表的な香りのタイプを分類してみました!
※これ以外にも香りのタイプはあります。
網羅的に一覧化したわけではありませんのでご留意ください。
※日本フレグランス協会より一部引用。
代表的な香りの詳細は以下の通りです!
シトラス(トップノート)
フレッシュな柑橘系を中心とした、
レモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジ、ベルガモットなどの香りです。
ちなみにシトラスは「ミカン属」の学名で、
一般的には柑橘類とほぼ同じ意味として用いられています。
柑橘類(柑橘系)ってそもそもどんなものがあるんだっけ?
という方は以下をご参照ください。
※参考記事:柑橘系の種類は?~わかりやすい分類と一覧~
フローラル(ミドルノート)
バラやジャスミンなどの花をイメージとした香りです。
優しく華やかで、女性に人気のある香りと言われています。
グリーン(ミドルノート)
刈り取った草や葉、茎の青々さを思わせる躍動的な香り。
アウトドアの、ナチュラルなイメージです。
フルーティー(ミドルノート)
リンゴや梨、桃などのジューシーな香り。
柑橘系の果物はシトラスですが、それ以外のフルーツの香り、というイメージです。
スパイシー(ラストノート)
ペッパー、クローブ、カルダモンなどのピリッと辛い薬味や辛味を感じる香り。
味覚においては(厳密には味覚ではないですが)
「辛味」と関係がありますね!
※参考記事:辛味の基礎知識~「ホット系」唐辛子と「シャープ系」ワサビの違いは?~
ウッディ(ラストノート)
樹木の香りが織りなす、どこか温かみがある香り。
落ち着いた、リラックス感を与えるようなイメージです。
オリエンタル(ラストノート)
中近東原産のスパイスや、動物性香料を思わせる、エキゾチックで官能的なイメージの香り。
オリエンタルは和訳すると東洋的な、という意味で、
東洋的なスパイスのほかに、濃厚な甘さがあるのが特徴的と言われています。
以上!今日は香りの種類(代表的な7タイプ)に関するお話でした!
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本日のまとめ
・香りは時間経過によりトップノート、ミドルノート、ラストノートに分類できる
・シトラスやフローラルなど、様々な香りのタイプがある
・瑛人さんが歌うドルチェ&ガッパーナの香水はどんなタイプの香りだったのか、気になります
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