味覚に関するお仕事をさせていただいていると、
「料理の味が美味しいかどうかなんて、人それぞれですよね?」
というお言葉をよく頂戴します。

確かにその通りではあるのですが、
”人ぞれぞれ”だからといって、味を評価することはできないか、というとそうではありません。

 

日本味覚協会では、「味」の評価は「お笑い」の審査と似ている、と考えています。

漫才やコントを見て面白い!と思う感覚は”人ぞれぞれ”ではあるものの、
それでも客観的に面白い!か面白くない!かはなんとなくわかるし、
M-1グランプリなどの審査結果をみても、一定の納得性はあるように思います。
(優勝したコンビがその後活躍するかどうかは置いといて)

今日はお笑いの審査方法を踏まえて味覚評価(官能評価)の仕組みをご説明したいと思います!

食品の開発部門を担当しているたろうくんは、新商品のプリンを作ろうと頭を悩ませていました。
上司からの「やらなきゃ意味ないよ」というプレッシャーに耐えながら頑張ったたろうくんは、
苦心の末ついに新商品のプリンを開発したのでした!

そこで、新商品の味を評価するため、

40人の評価者に、新商品(A)と既存品(B)を試食してもらい、
どちらのプリンが美味しいかを回答してもらいました。

結果は、以下の通りでした。
新商品(A)の方が美味しい・・・25人
既存品(B)の方が美味しい・・・15人

やっぱり新商品(A)の方が美味しいんだ!と喜ぶたろうくんでしたが、、

この場合、本当に
「新商品(
A)は既存品(B)よりも好まれる」
という結論を出しても
よいのでしょうか?

あなたは、次の2つのオレンジジュース(A:ポンジュース、B:トロピカーナ)をブラインド(目隠し)で飲み比べた後に、

「この2つのジュースは同じですか?違いますか?
と聞かれたら、何て答えますか?

「2つともオレンジジュースだから、同じ!」と答える人もいますし、
「味がちょっと異なるから、違う!」と答える人もいるかと思います。

今日の話のメインである「Thurstonian Model(サストニアンモデル)」は、この答え方の違いに関連しています。
この概念は、普通の人の頭にはない(というか、普通は考えない)とても面白い概念だと思います。

みなさん、他人と比べて、自分の味覚が優れているかどうか、知ってますか?

気になる方は、ぜひ、味覚診断チョコ、もしくは当協会の味覚診断イベントを試してみてください!

 

味覚診断(官能評価)をする際の評価方法には、
・3点識別法
・2点比較法
・順位法
など、様々な種類の方法があります。評価方法の違いによって、もちろん結果が変わることもあります。

というわけで今日は、代表的な味覚の評価方法について、ご説明します!

砂糖10gを、水90gと混ぜます。
飲みます。
 甘いです!
(これはコカ・コーラの糖濃度と同じくらいです)

次に、塩10gを、水90gと混ぜます。
飲みます。
しょっぱいです!
(これは醤油の塩分濃度よりちょっと低いくらいです)

 

それでは、この、すごく甘い10%砂糖水と、すごくしょっぱい10%食塩水を混ぜるとどうなるでしょうか?

甘い(甘味が強くなる)ような気もしますし、しょっぱい(塩味が強くなる)ような気もしますし、中和されてどっちの味もしなくなるような気がしますね。

 

正解を発表します!

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