私は愛知県出身だからか、小さい頃から味噌をよく食べていました。
実家には「つけてみそかけてみそ」が常備してあり、トンカツにも、おでんにも、冷ややっこにも、味噌をつけて食べてました。それが普通だと思っていました。CMでやってた「つけてみーそ♪かけてみそ♪」のフレーズは今でもたまにお風呂で歌ってしまうことがあります。
そのせいか、今でも、
友人「このおでんにカラシつけてもいい?」
私 「つけてみそ!」
友人「この唐揚げ、レモンかけてもいい?」
私 「かけてみそ!」
と言って、友人をドン引きさせてしまうこともあります(酔ってる時だけです)。気を付けなければいけません。
今日はそんな、崇高なる「味噌」のお話です!
ところで、みなさん、「調味料のさしすせそ」はご存知ですか?
さ・・・砂糖
し・・・塩
す・・・酢
せ・・・醤油(せうゆ)
そ・・・味噌
これを初めて聞いた時、おそらく多くの関西人が
「なんでやねーん!味噌は、”そ” やない! “み” や!」
「そやそや!”み” や!」
「どっちや!」
というやりとりをしたことでしょう。
そう!味噌は、特別なのです!暗黙のルールを覆すほどの、特殊能力を持っているのです!
今日は、そんな特別な味噌のお話です!
「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」の違いは?
結論を先に言ってしまうと、これは、原料の違いです!
味噌の分類方法はいろいろあるのですが、その一つとして「原料による分類」があり、
・米味噌
・麦味噌
・豆味噌
・合わせ(調合)味噌
の4種類に分けることができます。
<あれ?味噌の主原料って大豆じゃないんだっけ?米味噌は、米が主原料なの?>
米味噌の主原料は、大豆です!
<え?どういうこと?「米味噌」なのに、主原料は豆なの?>
そうです!
<意味が分からないよ、じゃあ、米味噌って、何に米を使ってるの?>
麹に、「米麹」を使ってます!
<ん??米麹ってなんやねん?>
急に関西弁にならないでください。
ということで、まずは、ややこしい「麹」に関してご説明します!
麹とは?~「麹菌」と「麹」と「糀」の違い~
まず、勘違いのないようあらかじめ断っておきますが、ここで言う「麹」とは、ザ・ドリフスターズの体操が上手な人のことではありません。それは仲本工事です(平成生まれの人は知らないかも・・・)。
一般的に皆さんが「麹」と呼んでいるものは、実は、2つのものを指しているのです。
①麹 ⇒ 麹菌(種麹)のこと
②麹 ⇒ 穀物に麹菌を繁殖させたもの(米麹など)のこと
この2つの違いを明確に理解していないと、こんがらがってしまいます。
米で例えると
①麹(麹菌) ⇒ 種籾
②麹(米麹) ⇒ 苗
のようなイメージでしょうか。
つまり、「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」の違いは、「②の麹の穀物の違い(米か麦か豆か)」によるものなのです!
ちなみに、「麹」も「糀」も意味は同じなのですが、一般的には、「糀」は上記の②の麹の、穀物が米のもの(つまり、「米糀」)の場合に使われることが多いようです。
味噌の作り方
「麹の違い」の説明だけではよく分からないと思います・・・。
ので、味噌の作り方をざっくりご説明します!
味噌づくりは、大きく分けて
・製麹(せいきく)工程
・熟成工程
に分けられます!
この作り方を見て分かる通り、「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」の違いは、製麹工程での穀物が「米」か「豆」か「麦」かの違いなのです!
(合わせ味噌は、これらを組み合わせたもの)
そもそも、麹って何のために入れてるんだっけ?
麹が穀物(米など)を原料として成長すると、いろんな酵素(タンパク分解酵素など)を作ります!
そうすると、豆のタンパク質を酵素(麹由来)が分解することにより、いろんなペプチドやアミノ酸が出来て、うま味成分がたくさんできます!
(参照:「たんぱく加水分解物」とは?~原料・作り方・味・危険性等の基礎知識~)
麹の割合とおいしさ
一般的に、麹の割合が多いほど(また熟成期間が長いほど)うまみ成分が多くなり、また麹由来の味・風味が強くなります。
十割みそ ⇒ 大豆と麹(米麹など)の量が同じです。
十四割みそ ⇒ 麹(米麹など)の量が、大豆の1.4倍です!
「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」の味の違い
米味噌・・・お米の甘みが引き立つ
豆味噌・・・甘さ控えめ、煮込んでも香りが弱くなりにくい
麦味噌・・・麦の香り、風味豊かで、あっさりしている
それそれ、米、豆、麦由来の味・風味が特徴と言えます!
味噌の種類別の生産量は?
2016年の味噌の種類別の生産量(参照:全国味噌工業協同組合連合会HP)は、
・米味噌 ⇒ 81.0%
・麦味噌 ⇒ 4.5%
・豆味噌 ⇒ 4.8%
・合わせ味噌⇒ 9.8%
になっています。
日本で流通している、ほとんどの味噌は「米味噌」なのです!
麦味噌は、九州や中国地方でよく食べられます!
豆味噌は、東海地方でよく食べます。八丁味噌が有名ですね!
ちなみに、2016年の、日本の味噌の生産量は41万5千トンです!
これは、1人当たり、1年間に3.2キロの味噌を食べている計算になります。
1日あたりでは、8.8gの味噌を食べていることになります。
味噌汁1杯に、約15gの味噌を使うと考えると、一日当たり、約0.6杯/人です。
私は、毎日2杯くらい味噌汁を飲んでますので、かなり平均を押し上げてることが分かります。
みなさん、あんまり味噌汁を飲んでないんですね・・・。たくさん味噌汁飲みましょう!
さて、余談ですが、冒頭でお話した「調味料のさしすせそ」は、料理の味付けの順番を示しています!
砂糖・・・甘味は具材に浸透しにくいから、早めに入れる
塩・・・浸透圧の関係で、塩を入れると具材から水分が出ちゃうから、早めに入れる(砂糖の後)
酢・・・早めに入れ過ぎると酢の酸味がとんでしまうので、頃合いを見計らって入れる
醤油・・・香り、風味を楽しむものなので、なるべく完成直前に入れる
味噌・・・醤油と同じく、完成直前に入れる
味噌は、香りや風味を楽しむものでもあるので、なるべく料理の最後のほうに入れた方がいいようです!
おまけ:コミュニケーションの「さしすせそ」と「うなぎ」
今日も余談が多く、話が長くなってしまいました・・・すみません。
ちなみに、話の長い先輩(上司)との会話で必須な「さしすせそ」は
さ・・・さすがです!
し・・・知らなかったです。
す・・・すごいですね!
せ・・・センスありますね。
そ・・・そうなんですか!?
です。
この5つのワードだけで、2時間会話を続けられるようです。
しかし!!このコミュニケーションの「さしすせそ」は、多くの方が使ってますし、いわば初心者用と言えます。
上級者は「うなぎ」を駆使しています!
う・・・「うかつでした!」
~会話例~
部長「君、この前お願いした報告書はもう送ってくれた?」
私 「うかつでした!すぐに送ります!」
”うかつ”という表現は、なんか可愛げがあります。
まあ、何回もやりすぎると、「どんだけ迂闊な人なんだこの人は」と思われますが・・・。
「忘れてました」だとバカっぽいし、「失念してました」だと堅苦しいです。「うかつでした」は、ちょうど良い感じで(というか響きが面白くて)、好きです。(知り合いの先輩がよく使ってます。)
な・・・「何か特別なことをされてたんですか?」
~会話例~
部長「私は昔から体力だけには自信があってね。2日くらいは徹夜しても平気なんだ。」
私 「さすがですね!何か特別なことをされてたんですか?」
”さすがですね!” は、正直、ほとんどの人が言います。ので、多くの人が言われ慣れています。
このあとの一言が、デキる人とデキない人の差に繋がります。
「何か特別なことされてたんですか?」は、そんなにおべっかな感じもしないけど、相手を気持ちよくさせて、相手が喋りたいようなことを引き出せる質問な気がするので、とても素敵なセンテンスなスプリングだと思います。
ぎ・・・「ギリギリですね」
~会話例~
部長「この前のレポート、昨日までにクライアントに送るよう指示したはずだが」
私 「すいません、ちょうど今送りました!いやー、ギリギリでしたね」
部長「いや、ギリギリセーフみたいに言ってるけど、アウトだから!」
”ギリギリ” という言葉は、アウトなのかセーフなのかも誤魔化せるし、必死に頑張っている感じも醸し出せるので、すごく好きな言葉です! B’zの稲葉さんも、「ギリギリじゃないと僕だめなんだよ」って言ってますし。僕も、ギリギリのほうが頑張れる気がします。
さて、以上です!
余談が多すぎて、最後は何の話なのかよく分からなくなってきましたが(笑)・・・。
みなさん、ぜひ味噌をたくさん食べましょう!
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本日のまとめ
・米味噌、豆味噌、麦味噌の違いは、はじめに麹菌を発酵する時の原料の違い
・日本の味噌は、ほとんど「米味噌」
・ふなっしーの味噌汁の具は、麩なっしー!(ギリギリのギャグ)
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