暑くなってきましたね!もうすぐ夏です!
夏の食べ物と言えば、、そう、スイカです!!

小学生の頃、夏休みに家の庭先でスイカを食べてたことが思い出されます。懐かしいです。

その時、おばあちゃんに「スイカに塩かけるとよ」と言われました。

こども心に、「え?スイカに塩かけるの?絶対に合わないでしょ」と思いつつも、言われるがままに塩をかけて食べました。そしたら、なんとなくスイカが甘く感じました。

 

今日は、こんな「スイカと塩」のような、不思議な味の合わせ技、
「対比効果」「抑制効果」「相乗効果」「変調効果」についてお話します!

 

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「対比効果」

以上の異なる味を混合したときに、一方または両方の味が強められる現象のこと。どちらか一方の味が強く、それに対して他方の味が弱いときに起こりやすい。

 

<例1:スイカに塩をかける(甘味+塩味)>

スイカに塩をかけると、より甘味を強く感じます。

スイカと笑い2図1

おしるこや甘酒に塩を入れるのも、同じ効果ですね。
ちょっと前に流行った「塩スイーツ」も、同様に甘味を際立たせるために塩を入れています。

 

 

<例2:汁やお吸い物にダシを入れる(+塩味)>

通常、うま味だけでは味を感じにくいですが、うま味と塩味が合わさることで、うま味がより際立つようになります。

うま味と笑い

「味噌だけ」、「ダシだけ」ではあまりおいしくないですが、「味噌+ダシ」でおいしくなります!

 

 

 

「抑制効果」

2種類以上の異なる味を混合したときに、一方または両方の味が弱められる現象のこと。両方の味の刺激が対等なときに起こりやすい。

 

<例1:コーヒーに砂入れる(苦味+甘味)>

コーヒーだけでは苦味が強いですが、を入れると、苦味を感じにくくなり、飲みやすくなります!

苦味抑制とクマ

 

 

<例2:に砂糖をかける(+甘味)>

レモンや夏みかんなど、すっぱい食べ物に甘味を加えると、酸味が弱まり、まろやかになります。

 

<例3:魚の塩焼きにレモンやカボス汁をかける(酸味+塩味)>

よく、焼き魚にはレモンやカボスなどが添えられていますが、これは、レモンやカボスの酸味が、塩っからさをやわらげる効果があるからです。

 

<例4:醤(塩味+いろんな味)>

醤油の塩分は約16%です。もし、塩分16%の塩水を口に入れると、しょっぱすぎて、すぐに口をゆすがないと耐えられないレベルですが、醤油は、口に入れても、口をゆすぐ必要もなく、おいしく味わえますよね。これは、醤油に含まれる糖やアミノ酸・乳酸などの各種成分が、塩味をまろやかにしているからです!

参照:「こいくち醤油とうすくち醤油の違いは?作り方は?~醤油の豆知識~」「砂糖と塩を同じ量だけ混ぜると甘い?しょっぱい?~味覚と閾値と生活習慣病のお話~」

 

 

 

「相乗効果」

同じ味をもつ2種類以上の呈味物質を混合したときに、相互に味を強め合う現象のこと。

 

<例1:昆布だし+カツオだし(うま味+うま味)>

合わせだし

 

<例2:昆布だし+しいたけ(うま味+うま味)>

うま味の相乗効果については、本ブログ記事、「うま味は100年前に日本人が発見!~うま味成分と合わせダシの秘訣~」に詳細記載しておりますのでぜひご覧ください!

 

<例3:アスパルテーム+アセスルファムカリウム(甘味+甘味)>

甘味料を合わせることによって、さらに甘味が増強されることもあります。

参照:「なぜ甘いのにゼロカロリー?~高甘味度甘味料とダイエット~」

 

 

<補足:うま味の強さの計算式> 

文献によると、うま味の強さの計算式は以下の通りです。

うま味の強さ=グルタミン酸(%)+1200×グルタミン酸(%)×(イノシン酸(%)+2.3×グアニル酸(%))

 

※グルタミン酸0.01%のみの場合

うま味の強さ=0.01+0=0.01

 

※グルタミン酸0.01%、イノシン酸0.01%の場合

うま味の強さ=0.01+1200×0.01×0.01=0.13

グルタミン酸(昆布だし)とイノシン酸(カツオ節)を混ぜると、グルタミン酸(昆布だし)単独と比べて13倍うま味が強くなります!!

 

※グルタミン酸0.01%、グアニル酸0.01%の場合

うま味の強さ=0.01+1200×0.01×2.3×0.01=0.286

グルタミン酸(昆布だし)とグアニル酸(しいたけのうま味成分)を混ぜると、グルタミン酸(昆布だし)単独と比べて28.6倍うま味が強くなる!!

この「うま味の相乗効果」があるからこそ、「合わせダシ」をとるのです。

 

 

 

「変調効果」

2種の違う味を続けて味わうときに、後で食べる味が変化する現象

 

<例1:食塩水を飲んでから水を飲むと甘く感じる>

<例2:生クリームを食べた後にイチゴを食べると、イチゴがすっぱく感じる>

<例3:ミラクリンを食べた後だとすっぱい食べ物が甘く感じる

<例4:ギムネマ茶を飲んだ後だと甘味を感じなくなる

「どの順番で食べるか」によって、味の感じ方が変わることが分かりますね。

 

 

 

おまけ:隠し味について

「対比効果」(たまに「抑制効果」や「相乗効果」)を活かした味付けをすると、良い「隠し味」になります!
特に、「塩味」は、「対比効果」を出しやすい味ですので、食塩や醤油など、隠し味として使われることが多いように思います。

ただ、「塩味」は、閾値が小さい(ちょっと入れただけで味を感じやすい)ですので、入れる量を間違えると大変なことになるのでご注意ください。

 

「うちのお母さんの料理の隠し味、いつも隠れてないよ」というご家庭も、ぼちぼちあるかと思われます。それはそれで微笑ましいですが^^

隠し味って、隠れてこその味で、隠れてなければ悲惨なことになります。卵焼きがやたら塩辛かったり、カレーに入れた隠し味のケチャップがやたら主張していてもはやカレーじゃなくなってることとか、たまにあります。

 

また、味覚感度は人それぞれですので、自分の中では隠したつもりでも、他の人にとっては隠れてない可能性もあります。

そういう意味でも、
自分や相手の味覚の良さを把握する ⇒ 適切な量の隠し味を入れれる ⇒ その人にとって一番おいしい「オーダーメイドの料理」が作れる、ということに繋げられるかな、と思ってます!

 

当協会でも、より多くの人が料理をおいしく味わえるような、何か手助けになれる仕組み作りやイベントを企画していきたいと考えています!これからもよろしくお願い致します!

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本日のまとめ

・「スイカに塩」で「対比効果」により甘味が際立つ
「コーヒーに砂糖」で、「抑制効果」により苦味が低減
・隠してるつもりでも隠れてないことあります。気を付けましょう。
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関連記事:閾値とは?なんて読み方?~味覚の検知閾値と認知閾値~

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